なぜ男性はDVをするのか?
この前も紹介しましたが、こちらの本を読みました。DV・虐待加害者の実体を知る/明石書店¥2,940Amazon.co.jpこの本を読んで、ずっと疑問だった「なぜ男性はDVをするのか?」「なぜ女性ではなく、ほとんどが男性なのか?」という疑問の答えが分かりました。まずは、宗教の教えによるものです。(以下は本文より一部抜粋したものです)聖書をはじめユダヤ教、コーラン、仏教とヒンドゥー教の書物には、どれも女性は男性の支配に従えと明確に教示しています。聖書はDV被害者にも影響を与え、宗教が離婚を禁止することで、虐待されてもDV被害者をその関係に留まらせてしまいます。宗教的伝統を守る家族のもとで育った子どもたちにとっては、一般に宗教の教えが最終的な善悪の判断を導くものとなり、法律よりも優先されます。なるほどーと思いました。何百年も前から宗教的に、女性は男性に支配されるのが当たり前という教えを受けて育てば、男性はそれを良しとするのは不思議でもありませんね。この著者がこの本を書いている間に、ラップ歌手のエミネムがグラミー賞を取りました。その曲の内容は、歌手が赤ちゃんの娘をベッドに寝かせるところから始まり、そのあと他の男と一緒にいる妻を殺す準備をするという歌です。女性と子どもを殺すことを讃えたこの歌を、エミネムがレコーディングしたことより恐ろしいことは、彼がグラミー賞を受けたという事実です。この受賞で十代の少年や青年は私たちの社会をどう結論づけるでしょうか。ユダヤ人や黒人や車イスの人々を殺すことをおおっぴらに勧める歌手が、グラミー賞を受けることはたぶんないと思います。しかし残念ながら、妻と子を残酷に殺すことは罪に問われず、逃げる計画で完結する歌を歌っても、それは許されてしまうのです。と著者は書いています。または、ポルノビデオ、雑誌、インターネットのサイトは暴力の学習の場であることも危惧しています。これは美輪明宏さんの本でも繰り返し、心配されていました。アダルト的なビデオや漫画が氾濫してますが、思春期の男の子が見て、現実と混同しなければいいなと本当に心配になります。そして次に、DV加害者の特性として、「特権意識」を持っているという点です。特権意識とは、自分は特別な地位にあるから、相手には適用されない自分だけの権利や免除がある、というDV加害者の考え方です。虐待の原因になる考え方のすべてが、ほぼこの一言に凝縮されています。ここで図があります。男性という丸い輪が描かれています。それと同じ大きさの女性の輪です。その隣に少し小さめの子どもと書かれた輪。男性の権利と女性の権利は同じおおきさです。双方とも意見や欲求を尊重してもらう権利をもっています。物事を決めるときは50パーセントずつ双方に発言権があり、言葉の暴力を振るわれたり、ケガさせられてりすることなく生きる権利があります。子どもたちの権利は多少小さめですが、それでも相当な大きさです。子どもたちは知識と経験が浅いので、物事を決めるときに対等な発言権は与えられていません。しかし、虐待されたり恐れを感じたりすることなく生きる権利や、尊重して接してもらう権利があります。一方DV加害者家族の権利は次の通りです。男性の輪は大きく、女性と子どもたちの輪は小さめです。それは、女性と子どもたちの権利が小さくなっていることを表しています。DV加害者によっては、小さくなっている輪がすっかり消えてしまいます。それだけでなく、加害者自身の権利が著しく膨張しています。私の基本的な仕事は、加害者が女性と子どもたちの権利を正常な大きさに拡大し、自分の権利をもとの大きさに縮めるようにさせることです。加害者は次のようなさまざまな種類の「権利」を自分に与えます。・身のまわりの世話をしてもらう「権利」・気分や心を気遣ってもらう「権利」・性的欲求を満たしてもらう「権利」・服従してもらう「権利」・責任を逃れる「権利」この二つの点から見ても、DVをする男性は、それを悪いことだとは認識しておらず、あたり前のことだと感じているという事実です。私の母の3回忌の時に親戚が集まって食事をしてた時のことです。母方の叔父と伯母がいるんですが、その叔父は酔っぱらうと暴力をふるうことがあるという話を聞いたことがあり(私は直接ではないですが)その時に何の話題だったから忘れましたが、叔父の発言が忘れられません。「女というものは、殴って言うことをきかせるもんだ」「はい?( ̄□ ̄;)!!」となったのは私だけじゃなかったと思います。みんな一瞬固まったような・・・。この本を読んだ後なら分かります。その叔父にとって暴力を奮ってることは恥でもなく、罪悪感すら持ち合わせてはいなかったのです。(何なら、少し自慢気だった)DV加害者がDVをやめることは、本当にこのままではいけないと感じた時だけだと著者はいいます。(たとえば、このままだと妻が去ってしまうなど)しかし、DV被害者も毎日のように精神的にもコントロールされているので一時的に離れても、また戻ってしまう人も多いらしいです。とても難しい問題であり、ここで簡単にはアレコレ書けませんが、この本はきっとDV被害者の方の支えになるのではないかと思います。そして、女性も子どもも、誰かに虐げられることなく、平等に生きる権利が当たり前になる世の中になってほしいと強く願います。ここまでの長文、読んで下さりありがとうございます。