0.1%以下の希少がん ~妻の気管癌(腺様嚢胞癌)についての備忘録~ -6ページ目

0.1%以下の希少がん ~妻の気管癌(腺様嚢胞癌)についての備忘録~

2016年4月15日。妻が36歳で腺様嚢胞癌と告知されました。
このブログはそんな病気とどう向き合って生きていくかを
綴っていきます。
希少がんということで同じ境遇の方々のご参考になれば幸いです。

先日11日、会社の人から癌についての情報誌が発行されているというご連絡がありました。
嬉しいですね。気にして頂いていることが伝わってきます。感謝感謝です!
 
というわけで、翌日さっそく雑誌を購入しました。
雑誌名は「週刊エコノミスト」といいます。
 
今回は雑誌の概要と、雑誌の中で僕が気になった治療法がありましたので、そちらを書きたいと思います。
ただ、全ては書けないので、詳細が気になる方は「週刊エコノミスト 2016 7/19日号」を見てくださいね。
(少し長いですが、お付き合い頂けると幸いです)
 
今回の特集「ガンは薬で治る」ということで今後の治療法の動向を経済的且つ実績をベースに分析し、現在の治療の問題点、今後の治療法の紹介、5年、10年後に向けた製薬会社の注目銘柄は何かという見解で記事されています。
 
まず、現在注目の免疫療法で、免疫チェックポイント阻害剤オプジーボ(一般名ニボルマブ)がありますが、問題が2つあります。
 
【問題点1】
・薬価が高い。
・オプジーボは体重60Kgの人が使用する場合、1回133万円、年間で約3500万円かかるという。
・ほとんどが高額療法制度で返還されますが、医療財政が圧迫され、財政破綻になりかねない事態が起こっている。
 
こうした状況を受けて、国は薬価引き下げの新制度を導入し始めている。
しかし、薬価を引き下げると製薬会社の経営計画が狂わせかねないということで猛反発。
結果的に新薬開発が遠のいてしまう可能性がある。
 
【問題点2】
・生存期間が延長するものの、完治した例がない。
・臨床試験では約20%の患者には有効だったが、効果がない患者も約40%いる。
・薬価が高いこともあって、今後効果が見込める患者を事前にどうやって絞り込めるかが課題となる。
 
こうした背景から国内では免疫療法薬の併用して効果を高める研究が進められています。
例えば、ヤーボイとオプジーボの併用療法。
単独治療よりも、高い延命効果が6月の米国臨床腫瘍学会で報告されています。
 
 
そして、免疫チェックポイント阻害剤に上記問題がある一方で、「第4の治療法」に向けた製薬会社による開発競争が始まっています。

記事には色々紹介されておりましたが、今回僕が気になったのは製薬会社タカラバイオの「CAR(キメラ抗原受容体)-T細胞療法」と「遺伝子治療(HF10)」です。
 
【CAR-T細胞療法】
人工的に作成したCAR遺伝子を患者の血液から採取した免疫細胞に組み込んで拡大培養したのち、患者の体内に戻します。
するとガン細胞に特有の抗原に反応して、ガン細胞への攻撃を再開するというもの。
現在、急性リンパ芽球性白血病の臨床試験を今年度中に始め、20年の承認取得を目標としている。
 
【遺伝子治療(HF10)】
弱毒化したヘルペスウィルスを患者のガン細胞に直接注射して、ガン細胞を破壊する。
さらに体内の免疫反応を誘導して、免疫の力でがんと闘うというもの。
こちらは既に名古屋大学医学部附属病院において、乳がん・頭頸部がん・膵がんを対象とした臨床研究が実施され、HF10の安全性と良好な抗腫瘍効果が報告されているらしいです。
 
現在は米国においてメラノーマを対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施しています。また、国内では、メラノーマや扁平上皮癌などの固形癌を対象とした第Ⅰ相臨床試験を実施中。
 

タカラバイオさんすごいですね。
 
頭頸部癌患者への治験参加出来る日が、早く来る日を祈るばかりです。
 
今後の動向に注目しましょう。
 
未来の治療に期待!!