2008年(平成20年)11月、トヨタが全長3m以下のコンパクトカーを市場に送り込んだ。
それが「IQ」というクルマ。
コンパクトカーのくせに4人乗りと消費者を馬鹿にしたようなクルマだが、助手席を前にスライドすることによって後部座席に座る構造となっており、そのため乗り降りはミニバン並となってて結構楽。
当然、最小コンパクトの利点を生かして小回りもスイスイといけるので、運転初心者には乗りやすいクルマといえよう。
魔法のパッケージといわれたデザインも秀逸で、エアバックが9個と安全装置も充実していた。
しかし、日本には軽自動車という強力なライバルが存在し、4人乗りのくせして普通車と同じ税金なのでこんなのに乗るくらいなら軽自動車の方がええという意見が多かったため、IQは販売面で苦戦した。
また後部座席も補助席並みの乗り心地だったのでますます敬遠されるようになり、2016年(平成28年)3月、約8年にわたる生産を終了した。
同社にはパッソという軽自動車と遜色ないコンパクトカーも存在し、それより値段の高いIQは人気でなくて当然だと思う。
個性的なデザインがマニアには受けて何年か経てば絶版車としての価値が高まるかもしれないが、居住性に関しては軽自動車に毛の生えたようなものでは実用車としては使えないだろう・・・。