花形歌舞伎千穐楽②

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午前の部の2題目と午後の部の2題目は

於染久松色讀販

お染の五役


早替わりで5役を勤めるのは 壱太郎

午前の部の5役は

久松 お染 お光 土手のお六 雷

雷は 台詞なし 全身褐色で 

どう見ても壱太郎か誰か分からないくらいでした


午後の部の5役は

雷の替わりに 鬼門の喜兵衛

ドスの効いた声の喜兵衛が お六にあっさり刺されました

衣裳の早替わりも、大変ですが

5人の声を使い分けるのも藝ですね



午前の部と午後の部の間に

妻方のお墓参りに行きましたよ


帰ってきて 南座の写真










本日千穐楽の看板に桜が咲いていました



午後の部の手引き口上役は

真っ赤な着物の壱太郎さんでした




もう1人虎之介君も登場





幕間の30分は 休憩時間ではありませんよ ショッピングタイムですよ と壱太郎


興行的には物販の売り上げも大事です

今回が5年目の南座での花形歌舞伎 途切れないように来年も再来年も続けてほしいですね

未来のエース達が 南座で古典歌舞伎に挑戦するのは見ていて楽しい



妹背山婦女庭訓

三笠山御殿


この場だけ見たら 話の筋を知らない人は何のこっちゃ分からないから 

壱太郎君が口上で 話の粗筋と登場人物の人間関係を説明していました


私は何度か文楽で見ました

文楽なら 四段目

鱶七上使の段 姫戻りの段 金殿の段

にあたります

文楽の感想は下にリンクしました


文楽の妹背山婦女庭訓四段目


三笠山御殿(金殿)の御簾が、上がると中央に国崩しの大悪人 蘇我入鹿(猿弥)

青隈で威厳があります


鱶七(福之助)が花道から出てきた時は 大きく見えた

おおらかでな豪傑でした


薄衣をかぶって帰ってきた姫は立花姫(吉太郎)

吉太郎君 どんどん美しくなってきた


苧環の糸を頼りに 求女実は藤原淡海(虎之介)が登場

(文楽では〝もとめ〟を 求馬と書きますが 歌舞伎では求女)


身元が分かってしまう 

敵同士だ 

愛されている橘姫を斬ろうとする

手を合わせて斬られる覚悟を固める橘姫 

「心底見えた」

斬らない 


次は お三輪(米吉)が、切れた苧環を頼りに現れる

ここですれ違うのが 豆腐買おむら(壱太郎)

これでポスターの4人が登場

壱太郎の役はチョイ役だけど

文楽ではもっと面白かった 

義太夫の語りがもっと面白かった と言った方が良いか

これから始まる凄い筋の前に 笑えるチャリ場

大事です


この後は 田舎の酒屋の娘が いかに酷い仕打ちを受けて〝疑着の相〟になるかです

お三輪は 官女たちにいじめられるし 求女は橘姫と結婚するようだし 悔しくて情けなくてたまりません の限界の時に

味方のはずの鱶七が現れて 三輪をブスッと一刺しする


このあたりは 米吉は髪を乱して一所懸命なんだけど 鱶七の福之助が追っついてない感じでした 

でも 竹本の語りと三味線の演奏は凄まじかった

疑着の相のお三輪の生血を鹿笛に染み込ませる鱶七


目が見えなくなって死んでいくお三輪


という内容ですが 歌舞伎の見取り一幕では なかなか理解出来ないでしょうね


幕間に、物販の買い物はせず

あちこちにで写真撮影






楽しい1日でした


次 虎之介君達に会えるのは 

万博開催記念の5月松竹座の薫風歌舞伎か?

虎之介君のアラジンが見られるはず