三鷹市の国立天文台の特別公開「三鷹・星と宇宙の日2015」に行ってみた(1) | なか2656のブログ

なか2656のブログ

ある会社の社員が、法律などをできるだけわかりやすく書いたブログです

10月23日に、三鷹市の国立天文台特別公開「三鷹・星と宇宙の日2015」を見学に行ってきました。

・三鷹・星と宇宙の日2015|国立天文台サイト

■追記・10月24日に見学した部分についてはこちら
・三鷹市の国立天文台の特別公開「三鷹・星と宇宙の日2015」に行ってみた(2)



入り口の受付です。


そういえば、この特別公開で様々な資料をいただいたのですが、「太陽系外惑星系に名前をつけよう!」というキャンペーンは、小中高などの学校の天文部などの生徒の方々の関心のあるところではないかと思いました。


インターネットで投票を受け付けており、締切は日本時間で11月1日午前8時59分までだそうです。

詳しくはこちら
・岡山天体物理観測所発見の太陽系外惑星に名前をつけよう!|国立天文台


国立天文台構内の地図です。広いなー。


10月23日は午後2時から公開ということで、主にこの機会にしか公開されないという展望鏡を見て回りました。

構内を左に行ってしばらくして現れた「第一赤道儀室」
三鷹キャンパス最古の観測用施設で、1921年(大正10年)にできたのだそうです。外観からしてレトロな味わいがあります。


北に歩いていくと、非常に大きな展望鏡のドームが現れました。とにかくでかいです。
現在、「天文台歴史館」となっている、「65センチ屈折望遠鏡」だそうです。


そこを西に歩いてゆきます。
国立天文台は武蔵野台地の森のなかにあるので、ハイキング的な感じです。


道の横に、「毒ヘビ注意」という看板がありました。


どうでもいいですが、私が通っていた中大の多摩キャンパスも完全に八王子の山の上の森のなかにあって、マムシが出ました。当時はまだ多摩モノレールもなかったので、最寄駅から毎日、大学まで山道をハイキングのように登っていました。

歩いていって、ようやくたどり着いたのが、見たかった特別公開の「太陽塔望遠鏡(通称:アインシュタイン塔)」です。太陽の磁場の観測や太陽フレアの観測で大きな成果を挙げた望遠鏡であるそうです。

普段は外観を見ることができるのみですが、この2日だけは内部を見学できるとのことです。


約20メートル上のドームまで、内部の階段をのぼって行きます。


ドームの一番上の部分の大きな鏡



(左は説明されている天文台の研究者の方)

鏡の構造を支える土台の部分


そのあと、1階のスリットの部分も見学させてもらいました。天気がよければこの部分で太陽の光が7色のスペクトルになる様子がみれるそうですが、この日はあいにく曇りであったため、残念ながら見ることはできませんでした。

スリット部分の奥の、かつてはスペクトルを観測していた大きな部屋は、さまざまな観測機器が展示されていました。


三鷹光器の分光器


説明文によると、三鷹光器は非常に技術が高く、国立天文台の研究に貢献しているそうで、この企業への敬意が説明文ににじみ出ていました。

イギリスのヒルガー社製の紫外線領域の分光器


このイギリス製の分光器は、説明文によると、詳しい記録が残ってないとされていますが、外装がなんと木製でした。文化財的な価値が高いのではと素人なりに思いました。

壁にあった通気口のような穴のとなりに、タヌキの写真と説明文が貼ってありました。




このアインシュタイン塔は、エアコンがない時代に建てられたので、夏に外気を入れるために外とつながっている通気口が複数あるそうで、タヌキなどが入ってくるそうです。これは思わず笑ってしまいました。たしかにこれだけ自然豊かだと、タヌキくらい出そうです。

古い「天文月報」が展示されていました。


つぎのような貼り紙がしてありました。


要約すると、「製本された天文月報はさまざまな場所に保管されているが、ここにあるのはそれぞれ単体の古い天文月報である。製本されていないので、このように並べられたものの表紙をすべて見ることができる。表紙は当時の事情、歴史的背景をよく表している。もう少し予算があれば壁面に並べてゆきたいと考えている。」といった趣旨です。

文科省は、文系廃止とか、G型L型大学改革とか、スーパーグローバルなんとか大学改革とか、変なことばかりやってないで、こういうことにこそ予算を出すべきだと思うのですが。

今度は構内を東に歩いていくと、これも古めかしい建物がありました。
「旧・図書館」だそうです。


外壁の茶色の独特なタイルは、「スクラッチタイル」というそうで、アインシュタイン塔と同様の貴重な装飾であるそうです。

もう少し歩いて、すばる棟の前の記念碑を何となくみたら、ちょっと驚いてしまいました。


なんと、この台座は、大正13年から昭和30年までの、日本の時刻決定の基準点だったのだそうです。さりげなく、すごいですね。


この、すばる棟の角をまがって北に向かって歩いていきます。
歩いてゆくと、なんか秘境探検みたいな感じに・・・


日中はいいですが、夜とか研究者の方々は大丈夫なんだろうか。

しばし細い森のなかの道を歩いてゆくと、ようやく本日、2つめの目的地の、「太陽フレア望遠鏡」の施設の場所にたどり着きました。


後ろからみた「太陽フレア望遠鏡」


「太陽フレア望遠鏡」の正面


なんというか、展望鏡というイメージと違ってすごいです。
ぶっそうな言い方ですが、戦艦の砲塔みたいな感じです。

そばに掲示されていたパネルによると、中心の細い望遠鏡が太陽を追尾するためのもので、周囲の4本の太い望遠鏡が太陽を観測するものだそうでした。

ただ、残念ながら、この日は曇りだったので、4本の望遠鏡は閉じられているとのことでした。


しかし、近くに設営されたテントの下のディスプレイで、過去に収録された太陽の表面の様子のダイジェストを流してくれていました。


太陽フレア展望鏡の施設を出て西に少し歩いたところ、急に森が終わって、今度はかなり広大な芝生の広場が現れました。自分の地元に北海道の牧場のようなスペースが?と、少々驚いてしまいました。


この広大なスペースは、「自動光電子午環」という施設で、この大きな半円状の建物は、現在は「天文機器資料館」になっているとのことで、ここも見学しました。


いろいろと展示されていたのですが、とくに、ハワイの展望鏡「すばる」の初期の観測機器のひとつの「観測装置CIAO」というものが展示されていたのには驚きました。


説明文によると、この装置は、「恒星コロナグラフ」というもので、明るい中心天体の光を遮り、周囲の惑星を観測する装置であるそうです。
素人ながら、系外惑星などに関心がある人間としては、これは興味深いなーと思いました。


なお、この天文機器資料館の展示でもうひとつ面白かったのが、なぜか布袋様の像がかざられ、前には小さな賽銭箱まで用意されていました。


隣にあった説明文によると、国立天文台の構内に併設されている「三鷹市星と森と絵本の家」に天文学者の部屋をつくる際に、ある天文学者の遺品をいただいた際に、この布袋様の像も国立天文台にわたり、関係者の諧謔精神により、ここに設置されているそうです。

学問に縁のある布袋様の像ということで、ちょっと拝んできました。

子午環の芝生のスペースの一角には、つぎのような掲示版がありました。


それによると、戦後、この一帯は電波望遠鏡による観測が行われており、1953年から1967年まで、「口径10メートル太陽電波望遠鏡」という巨大な電波望遠鏡が設置されていたそうです。その姿は美しく、当時の日本の電波望遠鏡の研究の象徴であったと説明文に書かれていました。

たしかにこれは美しいですね。大きくてかっこいい。
地元民ながら、生まれる前で見れなかったのが残念です。


こんな感じで見て回ったところ、23日はあっという間にすぎてしまいました。翌24日もこの特別公開を見学に行きました。


カラー版 すばる望遠鏡の宇宙―ハワイからの挑戦 (岩波新書)



地球外生命体 ―宇宙と生命誕生の謎に迫る― (幻冬舎エデュケーション新書)



第二の地球を探せ! 「太陽系外惑星天文学」入門 (光文社新書)



散歩の達人 2014年 05月号 [雑誌]



(↑『散歩の達人』2014年5月号62ページ以下に、国立天文台が特集されています。)

ハイ・フロンティア/ブルー・プラネット 星のパイロット3 (朝日ノベルズ)



(↑笹本祐一先生の宇宙開発のSF小説『星のパイロット ブルー・プラネット』は、太陽系外惑星の探査をテーマにした作品です。)

ウォーカームック 61804‐53 調布ウォーカー (ウォーカームック 349)





法律・法学 ブログランキングへ
にほんブログ村 政治ブログ 法律・法学・司法へ
にほんブログ村