「PSYCHO-PASS サイコパス」の新宿駅の「シビュラシステムゾーン」に行ってきた | なか2656のブログ

なか2656のブログ

ある会社の社員が、法律などをできるだけわかりやすく書いたブログです

本日、丸の内線新宿駅の地下道新宿メトロプロムナード)を通りがかったところ、人だかりができていて、何だろうと思って見たら、「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」のPRのための「シビュラシステムゾーン」が設置されていました。


「PSYCHO-PASS サイコパス」は近未来の超監視社会となった日本を描いたSFアニメ作品です。

その世界においては、厚労省の「シビュラシステム」という監視カメラのようなものが、現在の日本の街じゅうにあふれる監視カメラのように街じゅうに張りめぐらされ、国民・市民が監視されています。そのシビュラシステムとは、人間の外見だけでなく、心理状態性格「サイコパス」という値で数値化し管理するシステムです。

そのデータをもとに厚労省が国民・市民に理想的な職業・人生を用意する一方で、一定の条件に満たない人間は、国民ではないものとして扱われてしまうという世界です。そして、そのサイコパスの数値が一定数を超えた「犯罪者」に対して、厚労省の下にある公安局の刑事たちが「ドミネイター」という名称の銃で「強制執行」を行なう様子が、この作品のメインのストーリーです。

この地下道に設置された「シビュラシステムゾーン」は、上のほうにあるカメラが地下道を通る人の映像をとらえ、それを画面中央の大きなディスプレイが映し出しています。そして、作中でドミネイターが作動する際のディスプレイのサイバーな雰囲気や、人工音声によるアナウンスによるドミネイターの操作のガイダンスなどが流れて、この展示に東宝やノイタミナが非常に力をいれていることがうかがえます。

実際にディスプレイの前に人が立つと、それを認識して、作品同様に、ディスプレイ上にサイコパスの数値をカウントする数字が早いスピードで動き出すのですが、これってどういう仕組みだんだろうか。最近、NECなどが人間の年齢や性別などの属性を認識して、おすすめの缶ジュースをすすめる、気味の悪い自動販売機を実用化し、山手線などに配備されていますが、ああいった技術なのでしょうか。


「とっつぁん」こと征陸さんがディスプレイに登場


右のほうに説明文がありました。


柱もラッピングされていました。宜野座


常守


狡噛


征陸


大盛況です。この場所は週替わりでさまざまな分野の宣伝の展示を行なっていますが、こんなに人が立ち止まって見ていたり、あるいはスマホで写真をとっている様子ははじめてみたような気がします。


チラシがあったので頂いてきました。
「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」2015年1月9日(金)より全国ロードショーとのことです。


もう一枚のチラシは、「サイコパス大捜査線」というものでした。


それによると、この地下道の「シビュラシステムゾーン」以外にも、つぎの4つのキャンペーンが実施されるとのことです。(このヒジュラシステムゾーンは11日までのようです。)

「サイコパス×ルミネエスト新宿・ルミネマン渋谷」(12月26日~2015年1月16日)
「サイコパス×凛として時雨」コラボ護送車(2015年1月8日~1月18日)
「サイコパス×TOWER RECORDS」(2015年1月9日~1月18日)
「サイコパス×秋葉原」(2015年1月13日~2月15日)

東宝とノイタミナさん、本気出しすぎですね。

なお、「PSYCHO-PASS サイコパス」漫画版「監視官 常守朱」6巻が昨日発売されていたので本屋さんで購入したところ、特典のペーパーをいただきました。高層ビルの一室での打ち上げパーティーの一幕のイラストなのでしょうか。大きな花束を抱えてうれしそうな常守さんの笑顔がいいですね。




うえであげたように、この「PSYCHO-PASS サイコパス」という作品は、国家が国民・市民の心の内面までも監視する近未来の超監視社会を描くSF作品です。この作品はイギリスのジョージ・オーウェルの全体主義的ディストピアである超監視社会を描いたSF小説『1984』にも匹敵する批判精神あふれる意欲作であると思われます。

現代社会も、「安心・安全」を売り文句に、街じゅうに監視カメラが設置され、2014年には戦前の治安維持法をほうふつとさせる特定秘密法も成立してしまいました。2014年の前半には、一部の民間企業や公的機関が電車の駅構内で多数の歩行者の動きを同時にモニタリングする、まるでイージス艦のような先端的な監視カメラの実証実験を行なっていたことが明るみにでました。2013年にはアメリカのエドワード・スノーデン氏CIAや欧州のエシュロンなどが電子メールSNSなどの内容を収集していることを暴露しました。また、わが国においては、2016年1月から「マイナンバー法」(番号法)が施行されます。この法制度は、運用次第によっては、個人情報の面で、「比喩的に言えば、住民個々人が行政機関の前で丸裸にされるが如き状態になり、その委縮効果から個人の人格的自立が脅かされる」(金沢地裁平成17年5月30日判決・住民基本台帳ネットワーク差止等請求事件)危険性があります。

このように現代社会も急速に超監視社会への道を歩んでいます。現在、CIAなどの諜報機関が電子メールやSNSの分析により人間の内面を分析しているとしても、近い将来、「シビュラシステム」のように、直接、人間の内心を読みとる機械が誕生するかもしれません。そのような全体主義的ディストピアたる超監視社会を描く「PSYCHO-PASS サイコパス」は現代社会を批判する野心作であると思います。映画版や、さらに今後の展開がファンとしてとても楽しみです。

・アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」
・劇場版「PSYCHO-PASS サイコパス」

監視官常守朱 1 (ジャンプコミックス)



PSYCHO-PASS サイコパス (上) (角川文庫)



一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)



番号法の逐条解説



暴露:スノーデンが私に託したファイル





法律・法学 ブログランキングへ
にほんブログ村 政治ブログ 法律・法学・司法へ
にほんブログ村