10月16日葬儀の事を検討し始めていました。
不謹慎だと叩かれるかもしれないけど
この年齢になると周囲に葬儀経験者が何人かいて色々話は聞いていた。
皆揃って言いました。
「それどころじゃなかったけど、準備しておけば良かった」
夫を愛してる。そういえる妻ではなかったから
気持ちに余裕はありました。

その日は来ました。
10月18日早朝病院から電話が来て飛び起きました。
この頃には電話の音が怖くて仕方なかった
見覚えのない番号だと いよいよ来た
毎回深呼吸してから電話に出ます。

「ナースステーションです。
朝方吐かれて、血圧と意識が低下し始めてます。すぐに来て下さい」
日曜日だったので娘を叩き起こし病院へ急ぎました。

着いた時には夫の意識はなく
肩を強く叩いても反応はありませんでした。
肩で息をする『下顎呼吸かがくこきゅう』が始まってた
ここまで来たら、あと数時間 色々調べてたからネット読んで知ってた

「少し前まで意識あったんですが…」
その時点でも葬儀社は決まっておらず
時々かかって来る電話を対応しながら
部屋と部屋の前のデイルームを行き来してました。
ひたすら時間が長かった。

14時半近く修学旅行先の空港にいる息子から
様子伺いの電話があり
朝来ながらコンビニのおにぎりを
食べただけの娘もお腹が空いて来ていて
「すみません ちょっと買い物に出てきます」
「モニターが100切ってますのでいてください」
看護師さんに止められた
「?」
「もうすぐです」
「え?!」
部屋に目をやっても変化はなく
部屋に入って多分数分
看護師さんがバタバタし始めて
数字がドンドン下がって
機械のピー!!って音が鳴り続けてた。

看護師さんが「意識はなくても耳は聞こえてます。声をかけ続けて下さい」

「ちょっと!!しっかりしなさいよ そのまま死ぬつもり?!なめんな!」
肩をバシバシ叩きながら色々暴言吐き続けてた記憶が。

先生が来て、数字がゼロになっても
「まだ生きてます!!波動いてます」
私が言うと
「体を叩いた刺激に反応してるんです」
看護師さんが言った

テレビで見た聴診器や目を調べて
「14時30分ご臨終です お疲れさまでした」と
先生、看護師さん、私、娘一同でお辞儀をして
「ご夫婦では色々あったようですが、ご主人前向きで陽気な方で
僕は大好きでしたよ」
その時にはボロボロ泣いてた私は声が出なくて
「ありがとうございました」と答えるのが精いっぱいでした

携帯を見ると息子の電話から5分しか経ってませんでした