最後のお酒

携帯からの初投稿なので、読みにくかったらごめんなさい


ホスピス見学をした翌日から夫は目に見えて
様子が悪化していきました。

主治医から電話があり「メロンと皮ごと
食べられるマスカットが欲しいそうです僕が許可したので買ってきてください」
「昨夜幻覚を見て　意味のわからない事を言ってました。今後は本人の望みを全部聞いてあげてください」
主治医からは今後はボーッとしたり
徐々に意識も低下していくと思う。
時間はないと告げられ私はただただ泣いてました。

すぐにスーパーへ走りメロンとシャインマスカットを買い病院へ向かいました。
普通の一口サイズが食べられず包丁を借りて
離乳食の様に細かくしましたが
それでも上手く飲み込めず
丁度来た看護師さんに「噛んで味わって出してもいいんですよ」とアドバイスされてそうしました。

その夜家で子供達にその事を話すと
息子は言いました「しょーがねーなー　俺が酒付き合ってやるか」
「アルコールはダメでしょ」
「上の病棟あったじゃん」
「あそこはホスピス
一般病棟は他の人もいるでしょ」
「だよなー」

「あ！！ノンアルビールは？」
「それだ！！」

翌日病院近くのコンビニでノンアルコールビールを買い面会に行きました。
ビールを飲みながら夫は「久しぶりだから美味いな」と
小さな紙コップでほんの少しだけど嬉しそうに
息子と話ながら飲んでました。
夫の動きが止まり「もうご馳走さま？」
「もう少し飲みたい」しばらき紙コップを離さなかったけど、もう飲めませんでした。