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告発の時

中小零細企業の社長が大手企業社員たちの秘密を暴露する!

私、10年ほど前に起業しました。

サラリーマンとしても安月給で、副業をして何とかギリギリ。

嫁さんもパートで働かないとやってけない。

嫁さんの母は稼げない婿に不満タラタラ、娘を嫁がせたことを後悔するような発言も。



私は営業マンとしては、自分で言うのも何だがかなり良い業績を上げていた。

会社初の営業マンとして、会社の売上は4,5倍に、社員は3倍に、自社工場を建てるのに貢献してきた。

後輩の社員たちの育成にも一役買ってきたし、社長の右腕として夜中でも働いていた。

取引先からもできる営業マンとして一目置かれていることは感じていた。



でも、給料は他の社員も不満に思うくらい低かった。

私一人で年間1億の利益をもたらして、かつ後輩の社員たちもそれぞれ年間2,000~3,000万の利益を会社にもたらしていた。

設備投資もない商社なので、大きな経費が掛かるわけでもない。

それでも、一番古株の私が手取り20万を切っていた。

生活のためには副業でバイトせざるを得なかったのだが、私自身はそれほど自分の境遇に不満はなかった。

働けるだけで嬉しかった。

20代前半にいい加減に生きてきたから、会社に必要とされ、お客様に必要とされるだけで、満足だった。



でも、嫁さんの母親は違った。

給料の低い婿にあまり良い顔しなかった。

婿の悪口を聞く嫁さんも実家では萎縮していた。

このままではだめだ。

嫁さんに恥ずかしい思いをさせてはだめだ。

ただその思いだけで会社を独立することを決めた。



その時はまだ今のような苦悩が待ち受けているとは予想もしなかった。

ただ起業することに心が燃え立つのみだった。