こんにちは。


最近になり、雇用保険の存在が注目されることが多くなってきました。


⚫︎地味な雇用保険が注目されたのは

雇用保険法は、社労士試験の学習のなかでは、細かい数字がたくさん出てくるイメージで、私にとっては、地味な印象の科目でした。


給与明細にも雇用保険料が記載されていますが、所得税や住民税、社会保険料と比べると、控除額も多くなく、余り意識することはありませんでした。


それもそのはずで、経済が安定し雇用も落ち着いている時は、この保険制度は活用される場面が少なく、いざという時に備える性質のものなのです。


一躍注目されたのは、感染症拡大期に支給額が増大した雇用調整助成金の存在があったからでした。


長期化する支給要件の緩和により支給総額は跳ね上がり、6兆円を超えるまでになりました。回りまわって、雇用保険料の引上げにつながったのです。


これには、雇用維持に貢献したという評価がある一方で、成長分野や医療・介護分野への雇用移動の妨げになったという指摘もあります。


ただ、これほどまでに、雇用保険のありがたみを認識したことはなかったのではないでしょうか。


⚫︎雇用保険のこれからの役割

そして、感染症が落ち着いた後も、雇用保険をめぐる制度の見直し検討が進められいます。


今度は、雇用保険をいかに活用して、労働市場を活性化するかという観点からです。


❶短時間労働者(週20時間未満)への雇用保険加入の拡大❷自己都合退職による支給停止期間の短縮(2か月以上から7日程度に)❸雇用調整助成金支給時(30日以上)の教育訓練の受講奨励などです。


雇用の安定という、保険制度の本来の趣旨を超えているようにも思いますが、労働移動を促進する一つの手段として注目されていることは確かです。


雇用保険だけでは達成できない大きな課題ですが、そのなかでの雇用保険の役割に目が離せません。


もしかしたら、近い将来、雇用移動保険に名前が変わっているかもしれませんね。


今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。