こんにちは。
前回の「サービス残業」は「賃金不払残業」のことですが、今回はそれと関係のある「割増賃金」について触れてみます。
第5回:割増賃金の誤解
「割増賃金」について規定した労基法37条には「労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合」としているだけです。
ここでいう「労働時間」や「休日」が何であるかは同32条や35条を見なければなりません。
32条で「1日8時間、1週40時間」が「法定労働時間」であり、35条で「週の1日」が「法定休日」になるとしているのです。
従って、「割増賃金」が発生するのは、この「法定労働時間」を超えた時間外に労働する場合や、「法定休日」に労働する場合だけなのです。
よく誤解があるのは、就業規則等で定められた労働時間(所定労働時間)を超えたら「割増賃金」が発生するとするものです。
この場合、「法定労働時間」までは「法内超勤」として「割増賃金」の支払義務は生じません。
もちろん、「法内超勤」に対しては「割増でない賃金」は支払わなければなりませんし、これを「割増」にしても構わないことになっています。
労基法は「法定」と「法内」を明確に区別しているのです。
ただ実際には、労基法上の時間外労働なのか、法内超勤なのか、区別せずに36協定を締結したり、就業規則を定めたりする事例が多いようです。
誤解を生まないようにするには、それらをどういう扱いにするのか、就業規則等で決めておく方がよさそうです。
一度自分の会社がどうなっているのか、確認してみましょう。
次回は引き続き、「休日労働」の誤解について触れて行きます。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新でお会いできたら嬉しいです。