こんにちは。


明らかな動機のない銃撃や殺傷、放火事件などが相次いでいて、加害者の心の闇の深さを感じます。


昨年12月に大阪で発生したクリニック放火事件のときもそうでした。


この事件で犠牲となった人の多くは、メンタル不調から立ち直り職場復帰(復職)を目指そうと「リワークプログラム」に参加している人たちでした。


復職への意思が途中で断絶されてしまった無念さを思うと言葉がありません。


私自身の経験でも、メンタル不調からの復職は特に困難を伴うというのが実感です。


難しいのは復職の可否の判断をする時です。


「主治医」と「産業医」の意見が必ずしも合致するとは限りません。


「主治医」は本人寄りに、「産業医」は会社寄りに見解を出すのは立場上やむを得ないことで、メンタル不調では避けて通れないことかもしれません。


よく引き合いに出される「伊藤忠商事事件」は、トライアル出社を実施して順調な回復を示していたにもかかわらず、会社側が復職不可とした事例です。


本人が採用となった「総合職」として、復職後の対人折衝など複雑な調整業務には耐えられず、長期的には再発の可能性があるとされたのです。


このように多くの場合は、復職後も休職前と同じ職場、職務に就くことが条件となっています。


本人にとってはまさにそこでメンタル不調になったのですから、元の同じ環境に戻るのはかなり抵抗があり、心理的ハードルも高いものがあります。


私の知っている事例でも、他のところなら、他の業務なら大丈夫なのにという気持ちを持っている人が何人もいました。


会社側も復職をスムーズに進める工夫が進みつつありますが、本人の気持ちにしっかり寄り添うところまでは行っていません。


トライアル出社のような「ならし勤務」の仕組みに加えて、柔軟な職場配置の方法も考慮することが必要かもしれません。


もちろん、メンタル不調にならないような、職場環境を整えることも忘れてはいけませんが...



今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もまたアクセスしてください。


夏だ!ビールだ!take29


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