こんにちは。


大阪の診療内科クリニックの放火事件は、今年こそ平穏な年末年始を楽しみにしていた人たちに深い悲しみを与えました。


事件の真相は重篤な状態の容疑者への聴取を待たなくてはいけませんが、私が何より心を傷めるのは、不幸にも被害に遭われた人たちの無念さです。


事件当時クリニックでは、復職者に対する「リワークプログラム」が行われていたということです。


おそらく、メンタル不調で休職していた人たちが、体調も回復してきたので、職場復帰を目指して、医師の指導のもとに訓練を受けていたのでしょう。


復職できる日を楽しみに懸命に努力していた、特に若い世代の人たちが犠牲になったことには、いたたまれない気持ちがします。


以前、私の知人が同じように「リワーク」に通っていたことを思い出しました。


彼は職場の人間関係に悩んだ末、あえなく休職に入り、1年近く自宅療養を続けていましたが、ある時「今度復職のためのリワークに入ることになった」と嬉しそうに連絡してきました。


「リワーク」は実際の職場での「トライアル出社」(ならし勤務)に至る前段階として行われることが多いようです。


「トライアル」は「就業規則」で定めている場合が多いですが、いきなり「トライアル」で出勤しても上手くいかないことが多々あります。


その意味でこのクリニックで実施されているような「リワーク」は、メンタル不調で休職している人に重要な意義を持つものと言えます。


その現場を狙い、復職の機会を奪うことは、動機の如何を問わず許されるべきものではありません。


また、休職している人たちに寄り添い、産業医としても活躍されていた医師の尊い志を踏みにじることもあってはならないことです。


社労士の立場からも、メンタルヘルス対策を正面から壊すような振る舞いは、絶対に起こってほしくないと切に願います。


今回の事件で図らずも「リワーク」が復職希望者の「最後の砦」となっていることが明らかになりました。


「リワーク」に通っていた友人は、その後「トライアル」も乗り越え、無事復職することができました。


「リワーク」で助かったのは彼だけではありません。



今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もまたアクセスしてください。



いつもの生活から(第13回)

隈研吾さんによる「スタバ」@太宰府