有名大学だけで得することもある。


何も頑張らずに面接が通過するときもある。


特にそれが顕著だったメーカーがあった。



面接の待合室には有名タレントを起用した


製品広告のポスターが並んでいた。


これも学生ための気遣いなのだろうか?




少し前の面接が時間がかかっているようなので、


待合室にいた学生2人と話すことになる。




2人のうちの1人の女子学生が、、


就職活動用のバックではなく、ボストンバックを持っていた。


女子学生が気になり、自分から話しかけた。




「どこから来たんですか?」


「北海道です。さっき着いたばかりなんですよ」





今まででこんなに遠くから来た人はいなかった。





「大変ですね。交通費はどのくらいかかるんですか?」


「3万円ぐらいですね。でも、全額支給されないみたいです」


「大変ですね。自分は実家生なので、いつも交通費は余るんだけど」


「うらやましいですね。交通費のためにバイトもしないと」




彼女は農学部出身で、交通費だけでも


すでに「30万円」は使っているらしい。


色白で小柄で素直そうな雰囲気をしており、


この会社でも頑張ってくれそうな気がした。




地方出身の大学生はよくお金がかかると聞くけど、


リアルな数字を聞いて、ありがたさを実感した。





それだけ選考にかける想いも強い。





どうしてもこの企業に入りたいらしく、


話しているだけでも彼女からヒシヒシと伝わってきた。


志望業界が変わったのに受けている自分が情けなかった。




いざ、面接会場に向かうと、


さわやかな短髪の男性の面接官が座っていた。


1対1の個人面接。



「K大学商学部の木村と申します。よろしくお願い致します。」


「では、座ってください。」




いつも通りの面接だと思っていると、ここからが違っていた。


エントリーシートを見ながら、面接官が馴れ馴れしく話しかけてくる。



「賞をとっているみたいだけど、何かエントリーシート以外に書いているもの以外で賞はとっていないの?」


「川柳で賞をとっています。例えば、遺言川柳で「お父さん 私の名前 違ってる」というような句を応募しました」


「面白いね!今まで面接したけど、川柳を作っている人はいなかったな。」




「自己PR」「志望動機」も聞くこともなく、面接は続く。





「東京都出身なんだ。自分も同じなんだよね。入社すると必ず飛ばされちゃうから。どこか行きたいことある?」


「強いて言えば、沖縄ですかね。土日はゆっくりできそうなので」


「そうか。そうか。まあ、飛ばされても自分が2、3年で戻してあげるから大丈夫だよ」




そんな権限がこの人にあるのだろうか、


そう思いながら元気な声で答えた。





「ぜひとも、よろしくお願い致します。」





相手の好意をふみにじる必要はなく、素直に聞けばいい。


最終面接で社長自らが面接をする場合は特にそうだ。




ベンチャーや自分でイチから会社を作ったような社長は


自分のことを語りたがる傾向がある。


若い人にどうしても伝えたことがあるからに違いない。





その時は素直に笑顔でご意見を頂けばいい。





こんな雑談が10分間ほど続き、


この面接官が自分と同じ大学だということを知る。



「最後に今のような元気な感じで受けるといいよ。あと「地方への配属の話」な話があったら迷わず「ハイ」といえば良いから。次の試験には通すから、頑張ってね!」




面接官自体はとても良い人だったが、


本当にこんなことでいいのだろうかと疑問に思う。


面接前に話したような彼女が


大学なんかで落とされたりしたら、とても悲しいことだ。





そして、面接官の言われたとおり面接は通過していた・・・





【教訓】


地方の大学生の交通費はとてもかかるので、あらかじめ貯めておくこと。ほとんど、交通費のかからない人はありがたみを実感して受験すること。



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