彼女を説得するために急いで帰宅した。


帰りの電車の中ではどのようなメールを送るのか、


A4用紙3枚ぐらいに自分の思いを書き綴り、まとめていた。





「オーナー企業だから社長がいなくなったらどうするの?」


「本当にその会社の仕事がやりたいの?」


「就職活動を終えて、後悔はない?」




このように考えていることを紙に書くとまとまりやすい。


自分の目で見ることができることができるからだ。


考えられるリスクをすべて考えた。




どんな企業にもデメリット、メリットがある。




当たり前だけど、採用情報も説明会もメリットしか打ち出さない。


だからこそ、デメリットについても考えるべきだ。


情報をただ鵜呑みするのではなく、自分なりに考えたほうがいい。


普段から考えていない人はなかなかできない。





そのような人は就職活動中でも


調べれば分かることや考えれば分かることなど当たり前に質問する。


相手には失礼にあたる場合もあるくらい。





そして、彼女にパソコンのメールを送った。


今思うと、とても怨念のこもったメールだったと思う。




彼女はどんな気持ちで見ていたのだろうか。


すぐに見てもらえるように携帯からもメールを送る。



「パソコンにメールを送ったので見てみて」





フォローメールまで入れていた。




この時の僕は必死。





この時、この行動が


僕の首を絞めることになるとは思わなかった。




そして、数日後・・・




また、彼女と学食で会うことになった。


彼女は表情が暗く、話しづらそうにしていた。


席につくまでは無言。


僕から話しかけようと思った時に、


開き直ったかのように彼女は話し始めた。





「あの会社だめになっちゃた。」


「なんで?」




正直、ちょっと嬉しかった。


友達が内定をもらった時の反応は様々。


まだ選考があまり進んでいないと、


素直に喜べないことの方が多い。




人間なので仕方ない。




「まだ一緒に就職活動ができる」、そんなことも思っていた。


さらに話を聞いているだけで、その社長が嫌いだった。



本当に情けない男だ




彼女はもっと言いづらそうに、


まるで思い出したくないように話した



「あれから考えて、社長に色々質問したら、突然、社長が怒り出して、ダメになっちゃったんだよね。社長の自動車に乗っていたんだけど、その場で降ろされて。」



先ほどの嬉しい気持ちが消え、逆に腹が立った。


彼女を傷つけるように仕向けてしまったことを後悔。


僕は苦し紛れに彼女を励ました。



「それほどの社長だったんだよ。よかったじゃん、それで」


「うん・・・」



とても気まずかった。

未だにリクルーター制度があるけど、


おいしい条件にまどわされてはいけない。


リクルーターの目的は






「いかに優秀な人を早いうちに確保するかどうか」




学生の将来などは真剣に考えていない。


特に理系学生に対する動きが多い。




ちゃんと、自分を持っていないと、


好条件に惑わされて本当にやりたいことを失ってしまう。


仮に内定を頂いたとしても、


入社してから「こうではなかった」と後悔することもある。




自己分析をして、ちゃんとやりたいことが


明確になってからリクルーターに会うのはいい。


何もわからないのに内定をもらうことほど不幸なことはない。





就職活動は自分を見つめ直す良い機会。





社会人になったら、そんな時間はないに違いない。


確かに苦しいことも、悩むこともあるかもしれない。


しかし、そういうところに成長があるのだと思う。





そんな気まずい雰囲気を


吹き飛ばそうと前から計画していた花見に誘うことにした。




「じゃあ、息抜きに花見でもどう?もう春だし」


「いいね・・・行ってみようかな?」




この花見でもハプニングがあった。




【教訓】


友達・恋人の内定 は素直に喜べなくても仕方がない。


リクルーターに誘われたら、ちゃんと吟味すること。




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