特別に厳しかったSPI試験を通過し、
次の選考は集団面接。
友達よりビルがわかりづらいということで、
少し早めに行くことにした。
しかし、すぐに見つかってしまい、
前の前の面接が終わらないくらいの時間についてしまった。
仕方ないので街中をブラブラして時間をつぶした。
時間ギリギリになると、
あたかも今到着したように振る舞い、面接会場に入る。
学生3対面接官1の集団面接。
面接が始まる前に
エントリーシートを書くことになった。
履歴書のような項目の他に悩ませる項目があった。
「学生時代頑張ってきたことを円グラフ(パーセンテージ)で書きなさい」
これといって「学生時代に頑張ってきた」
と言えるものがなかったからだ。
サークル、アルバイト、勉強も中途半端。
どれも真剣に取り組んだことはない。
一度も休まずに学校へ行っていたことから「勉強」を重視した。
「勉強」50%、「趣味」25%、「アルバイト 」25%
案の定、面接官につっこまれる。
「勉強が一番割合を占めているんですね。珍しいですね。何を頑張ってきたのですか?」
「ゼミの勉強です」
全くのウソだった。授業のことを言ってもよかったけど、
試験勉強が終われば、ほとんど授業内容を忘れてしまい、
仕方がなく、ゼミの話をするしかなかった。
「では、ゼミで一番苦労したことは?」
「文化祭での共同論文です。意見をまとめるのに苦労して、ぶつかったりしました」
「そのとき、どのようにされていましたか?」
「え~とですね、『まぁ、まぁ、冷静になろうよ」という感じでなだめていました」
これも全くのウソ。
事実だったけど、ほとんど介入しなかった。
心の中で「ゼミの話はやめてくれ」と唱えていた。
他の2人は自分と比べようがないぐらい面白い人たちだった。
アメリカの大学で建築学を学んできた人、
期末試験以外の日は世界を旅してきたという人だった。
こんなインパクトのある人たちと集団面接をするなんて・・・
その1人、世界を旅していた人はかなりお調子者。
これが世界を旅して身につけたものなのかわからないけど、
面接官に見え見えのウソをついていた。
「私は御社のグループ以外は受けていません。御社が大好きで仕方がないんです」
「そうなんですか。本当ですか?」
「本当です。信じてください」
面接官はあまりのお調子者ぶりに笑っていた。
僕はいつもの自分を出せず、この時点で落ちてしまった。
しかし、彼なら合格していたかもしれない。
むしろ、合格してほしかった。
ここまでやってくれると、見ている方としても気分がいい。
企業によっては選考の途中で身辺調査をするところもある。
嘘を言ってバレテしまえば、結果は言うまでもない。
正直になって受けるのが一番。
【教訓】
ウソをついてもばれないと思うかもしれないが絶対にバレる。自分に正直になろう。