8月は学校の図書館、家の往復で終わってしまう。


そんなつまらない日々の中でも希望に満ち溢れていた。


夜景デートができるからだ。


しかし、悲しいことに前日に彼女の都合で駄目になってしまった。


僕は諦めなかった。




「明日はだめなんだ~今月はどう?」


「アルバイトが入っていて無理かな」


「9月ならどう?」


「9月。。。」


「絶対にキレイだよ(見ていないけど)、何か予定はあるの?」


「今のところはないけど。。。」


「じゃあ、行こう!」




9月に夜景を見に行くことになった。


その日がダメなら、他の日にすればいい。


何も言わなければ、相手もわからない。





面接や説明会でも満杯になっていたとしても、


一度調整できないかと企業に聞いてみることが大切。





夜景を見に行くというよりかは


彼女を見に行く方が近いかもしれない。


僕の中で「夏=8月」というイメージだったので、




夏の思い出作りには絶対に「8月」がよかった。




しかし、彼女に無理を言って嫌われるくらいなら、


無難に9月にしたほうがいいと思い、








9月3日





努力のかいもあり、夜景を見に行くことになった。


ちょうど晴海は僕たちの中間である新橋に「比較的」近かったので、


新橋駅で待ち合わせをすることにした。


しかし、この判断が間違っていることにあとで気がつく。


今後、新橋駅は僕たちの待ち合わせ場所の定番になる。






12時に約束していた。





いつもなら満員電車に揺られて不快な思いをしながら、


電車に乗るのところだが快適に新橋駅に着いた。


さらに彼女に会える分、より一層気分がよかった。




昼の新橋駅はサラリーマンでいっぱい。


いかにも疲れていそうなサラリーマンばかり。


スーツの上着を片手に、暑そうに信号待ちをしている。







「お疲れ様です」








なんとなく優越感を感じていた。


そんな僕は対照的に半袖のシャツにジーンズ。


この日のためにシャツを購入していた。



いつもは白黒のシンプルなものしか着ないのだが、


それだと服装だけでもつまらなさそうに見えるので、


店員さんにお勧めでピンクのシャツを購入。






今までの人生でピンクのシャツなど着たことはない。






さらに定価で服を買ったこともなかった。


いつも、百貨店のバーゲンで服を購入するくらい


服装にはお金をかけない。




そんなシャツと一番自分の中で高い、


1万円のちょっと膝の部分が


破けたジーンズで彼女を待ち構えていた。




しかし、





到着したのは30分前の「11時30分」。


彼女はいるわけがない。


いつ来るのか、いつ来るのかと


ずっと駅の改札口で探していた。


あることに気づいた。








駅の改札口が2つある。








烏森口、銀座口があった。


晴海に行くのなら、銀座口しかないかと


安易に考えていた、時間が経つにつれ不安になる。








「まだまだ時間がある」








自分にそういい聞かせていたけど、


待ち合わせの5分前になっても見つからない。


僕の中では待ち合わせ時間に


ギリギリに来ることはありえなく、とても不安になる


昔、バスケットボール時代に待ち合わせに遅れた


レギュラーの部員を置いていったくらいだ。








日時を間違えたのだろか








そんなことまで考えていた。


でも、前日に「明日、楽しみだね」と


おはようメールを送っていたのでそんなことはないはず。


そう思ったのも束の間、改札口で彼女を見つけた。




最初はあれだけ探していたのに気づかなかった。


切符を入れて、改札口を出てくるところでやっと気づいた。


自分があせっていたのも原因かもしれないが、


もうひとつ原因があった。








彼女はさっぱり髪を切っていた。








彼女は笑顔で僕の方へ向かってくる。


あれだけ楽しみにしていたのに、


僕はちょっとさびしげに言った。







「久しぶり。髪切ったんだね」



「暑くて・・・」







ちょっとパーマーをかけ、


肩にかからないぐらいの長さ。


正直、髪が長い方が好きな自分にとってはショック。


大学生になるまで僕は「女性の髪」にこだわっていた。







「黒髪で髪が長い人が好きだった」







しかし、高校生時代好きな人が茶髪だったことから


「茶髪」に対しては少し妥協するようになったが、


髪の長さは絶対に妥協をすることはなった。


しかし、話し始めたらそんなことを気にしてはいなかった。


早速、晴海へ向かうことにした。


電車で行くかどうか迷ったが、


天気も良いので歩いていくことに。




僕は「話を聞かない男、地図の読めない女」


を覆すぐらい地図には弱い。


ビルの位置と地図の位置を


一緒にしなければならないぐらいだ。


そこで、前日から入念に調べ、


歩いていけることを確信していた。







これが失敗。







あとでわかったのが


晴海までは3、4キロほどあった。


さらに悪いことにその日は9月にも関わらず、


日差しが強く、30度を超えていた。


晴海通りをまっすぐ行けばつくと思っていた僕達は甘かった。





後々訪問することになる松竹のビル、


歌舞伎座を横目に果てしない晴海通りを歩いた。


色々なおいしそうなお店があったが、


晴海に着くまでは食べないと決め、ひたすら歩いていた。


僕はどうしても会う際には「絶対に言ってみよう」


と思っていたことを彼女にぶつけてみた。





「『みっちゃん』って読んでいい?」



「全然、構わないよいいよ。なんで?」



「『小川さん』じゃあ、なんか他人な感じがして嫌だったんだよね。『みき』って呼ぶのも偉そうで嫌だし。」






付き合ったことがある人なら


当たり前に思うかもしれないが、


僕は今まで名前で読んだことがなかった。


変に意地を張っていた。


自分がそのように呼んでいる


姿を見られるのが恥ずかしいのからだ。





自分のイメージ=硬派






というのが定着をしていた。


初めて中学生時代に付き合ったときも、


絶対に彼女と帰るときは「裏道」で帰っていた。




「カップルロード」




それは自分だけではなく、周りの友達もそうだった。


たまにカップル同士が偶然出会ってしまい。


「あいつ、あの子とつきあっているんだ」


のような発見がある。


しかし、お互いバレたくないので、


会釈程度でそれ以上深入りはしない。


でも、それは中学生時代の話。


大学生にもなって恥ずかしがってる場合ではない。


苗字で呼んでいると進展がなさそうな気がしていた。


それにみんなが呼んでいる名前より、


みんなが呼んでいない名前で呼んだほうが好印象。





就職活動の面接でも同じだ。


誰でも話していることをことを話すより、


誰も話していないことを話すほうがよい。



ちなみに今まで付き合った中でも


彼女は名前で呼んだことがなく、







「おい」「ねえ」







なんて風に女性に嫌われる呼び方で呼んでいた。


決して亭主関白名性格ではない。


こんな性格なので彼女の前で弱みを見せることはない。


そんなことを話しているうちに晴海に到着。


銀座、築地と歩いてきたけど、明らかに雰囲気が違っていた。


田舎にある水族館のような雰囲気。


とても道路が広くて、人もいなく、


さわやかな光景が広がっていた。


ここが東京とは思えなかった。


ふと時計を見て、びっくり。








歩くこと40分。






彼女と話しながらやって着たので


そんなに時間が経っているとは思わなかった。






【教訓】


例え無理でも、面接や説明会でも日程を調整できないか交渉すること。


面接は誰もが話していることより、話していないことを話そう。




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