またまた『武家拾要記』四を読んでいきたいと思います。今回はわりと訳しやすかったです。
上の写真の左半分から下写真の3行目までとなるので、興味のある方は写真を拡大してみて下さい。
一 城を攻落すといふは山城をいふ。攻崩すとは平城をいふ。乗取とは海門の城をいふ。味方の城又は小屋など敵に破られたるを破らせるといふ。山門谷塀柵など敵の越し来たるをも越させるといふ。国郡村里など敵の取たる時も取せるといふ。敵の城を打かからむ時は押寄押懸乗越打越詰懸押詰取詰込入喰入などといふ。城に篭る時は取篭る楯篭るなどといふ。城より打ちて出る時切てかかる突て出る馳せ下る追下る追崩す喰出る追い落す追い払うなどと云。
(訳)
城を「攻め落とす」というのは山城の場合を言う。「攻め崩す」というのは平城の場合を言う。「乗取る」とは海上の城の場合を言う。
味方の城または小屋などを敵に破られる事を「破らせる」と言う。山門、谷、塀、柵などを敵が越える事を「越えさせる」と言う。国、郡、村、里などを敵が取る事を「取らせる」と言う。
敵の城に打ちかかる事を「押し寄せ」「押し掛け」「乗り越え」「打ち越し」「詰めかけ」「押し詰め」「取り詰め」「込み入り」「喰い入り」などと言う。
城に篭る時は「取り篭る」「立て篭もる」などと言う。
城より打って出る事を「切ってかかる」「突いて出る」「馳せ下る」「追い下がる」「追い崩す」「喰い出る」「追い落とす」「追い払う」などと言う。
色々言い方があるんですね。でも「破られる」じゃなくて「破らせる」って言うのが、いかにもな感じで面白いです。
それと、ちょっと思ったんですが、武士以外の階級が台頭して、ついには士分を手に入れた幕末の世相を考えると、いわゆる「れっきとした武士」の家に育った人は「我らは子供の頃からこのように武士としての心構えを教え込まれて来たのだ」とプライドを持っていたんでしょうね。
その一方で、新選組の土方歳三さんとかがこの本を読んだら
言い回しなんかどうでもいい!!
ってキレてたかな?


