いつもは、混んでいて中々スッとは入れないホテルが、珍しく空いていた。ホテルの部屋に入ると、Tは薬「バイ○グラ」を飲む。薬を飲まないと出来ないからだ。薬を飲む所を私に見られたくないのかTは「奈歩、早くシャワーを浴びて来て」と言った。「分かったよ」と私は答えて風呂のある洗面所へ向かった。服を脱いでいたら、洗面所まで響く爆音で女の喘ぐ声が聞こえる。昔からTはエロいDVDを見ながら、私とやるのが好きだった。私はそれが嫌だった。私がいるのに、なぜ他の女か喘ぐ所が見たいのだろう?そう思いながら、私は服を脱いで風呂場に入った。私は風呂を入れながら、からだを念入りに洗った。シャンプーは、持参した自分の物を使う。ホテルに置いてあるシャンプーは髪を痛めるからだ。私が風呂から出ると、入れ代わりにTが洗面所へ入った。私は大袈裟な声を出している女が喘ぐDVDを、ぼーっと見ていたらTが風呂から出て来て「どうしたの?そんな所で、ぼーっとして?」と言って私に冷たいビールを渡した。私は、黙って冷たいビールをイッキに飲み干した。喉が渇いていた。Tは、その間にごそごそと自分のかばんを探っていて「あったー!」と子供みたいな声を出していた。手には白いおもちゃを持っていた。Tは私におもちゃを渡した。「奈歩、それでひとり上手をして!見てるから」珍しいTからのリクエストだった。