一昨日帝国ホテルで誕生会をやってもらいました。もちろんノンアルコールで。
参加者の皆さんから元素の辞典をプレゼントしてもらいました。
毎週木曜の19時にクラブハウスで栄養学の話をしていますが
先日、ミネラルの話をしてくれといわれたので、周期表の話をしたので
元素記号が好きなのだ、と思われたようです。
周期表の両側が典型元素、間のへこんだ部分が遷移元素でしたね
私たちの体を構成しているメジャーミネラルは典型元素
一方で補酵素(正確には補因子)として働く微量元素マイナーミネラルは遷移元素です。物質の最小単位は元素。それ以上分割されることはない、って習いました。
でもヘリウムは最初からこの世に存在してたのではなく。ウランやトリウムが放射性崩壊してできたとこの辞典で学びました。
さて、今日は生物の体の最小単位細胞についてです。
真核生物の1個の細胞の大きさは10ミクロン。この10ミクロンの細胞がいったい何個集まったら、身体ができあがるのでしょうか。「人体は50兆個の細胞からできている」、といわれています。
1個の受精卵が十月十日の間に1人の人間を作るのですが、細胞を1個、2個、3個と1つずつコピーしていたらとても間に合いません。もっと効率のいい方法はないのでしょうか。それが「がまの油売り」です。
「抜けば玉散る氷の刃」の口上とともに、日本刀で懐紙を2つに裂いていきます。「1枚が2枚、2枚が4枚、4枚が8枚、8枚が16枚。16枚が32枚……」。
受精卵も細胞分裂といって、1個の細胞が2個、2個が4個、4個が8個と、倍々に増えていきます。倍々に分裂を繰り返したって細胞の数はたかが知れているとお思いでしょうが、
・ 10回分裂すると1,024個、約千個、つまり10の3乗になるのです。
・ 20回なら10の6乗、百万個ですね。英語ではミリオンといいます。
・ 30回なら10の9乗、10億個。英語ではビリオンといいます。
・ 40回なら10の12乗で、なんと1兆個です。英語ではトリリオンといいます。
がまの油売りが懐紙をたった40回裂くだけで、1兆枚の紙吹雪ができるのです。同じように、1個の受精卵が40回の細胞分裂で1兆個に増えるのですから、すごい勢いですね。
さて細胞がたくさん集まったものが組織です。組織がサイコロのような立方体だと仮定しましょう。立方体の体積は縦×横×高さ、つまり1辺の長さの3乗です。
細胞が10回分裂するたびに数や体積や重さは10の3乗、つまり千倍になるのですから、このとき組織の大きさ(1辺の長さ)は10倍になるということです。
・ 1個の細胞の大きさは10ミクロン、すなわち0.01㎜だといいました。
・ ですから10回細胞分裂したときの組織の大きさはその10倍で、0.1mmです。
・ 20回分裂したときはその10倍で1mm。
・ 30回分裂したときはそのまた10倍で10mm、つまり1cmです。
一辺の長さが1cmの立方体の体積は1立方㎝、水なら1ccです。
メートル法では1ccの水の重さを1gと決めたのですから、30回分裂したときの組織の重さは1gです。