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「見えない交通事故後遺症」の問題点
当ブログでは以前、交通事故による後遺障害ついて取り上げました。
「後遺症」と「後遺障害」との違いってなに?
https://ameblo.jp/nagoyasogo-kotsujiko/entry-12384880405.html
上記記事でもご紹介したように、金銭補償の額に大きな影響を与える「後遺障害」の認定には、医学的・法律的なハードルが存在します。
認定が難しい後遺障害といえば、どのような症状をイメージするでしょうか。
例えば、交通事故被害によって顔に大きな傷痕が残ってしまったとします。
この場合、後遺障害の存在自体に大きな争いは起きにくいと考えられます。
顔の傷痕は、外から「見える後遺症」だからです。
それでは交通事故の被害によって首に神経痛が残ってしまった、いわゆる「むち打ち症」の場合はどうでしょうか。
本人に強い自覚症状があったとしても、神経痛の存在は外から見えるものではありません。
このような「見えない後遺症」を「後遺障害」として認定してもらうには、症状の裏付けとなる客観的な医学的初見(他覚所見)の有無が重要になります。
例えば、首の部分のX線画像を診断し、神経圧迫等の外傷性変化がみられるのであれば、症状の裏付けとなる根拠、すなわち他覚所見があるということになります。
他覚所見のある神経症状(むち打ち症)は、後遺障害12級の認定を受けられる可能性があります。
一方、むち打ち症に他覚所見がない場合であっても、後遺障害の認定を受けられる可能性が全くないわけではありません。
事故状況と自覚症状との間に合理的な説明がつくこと、病院で治療を継続していたこと、診断書の記載に不自然な点がない等の諸事情が考慮された結果、自覚症状のみでも後遺障害の存在が合理的に認められる場合、後遺障害14級の認定を受けられる可能性があるのです。
ここで注意したいのは、治療時に医師が「むち打ち症だろう」と言ってくれたからといって、必ずしも後遺障害の認定に繋がらないということです。
後遺障害の認定を行うのはあなたの主治医ではなく、「損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)」という専門機関です。ここでは提出された「後遺障害診断書」等により、事故と因果関係のある後遺障害の存在が認められるかが形式的に審査されます。
後遺障害診断書自体は医師に記載してもらうことになりますが、後遺障害の認定判断には、上で説明したように、治療がきちんと継続されていたか等様々な事情が考慮されます。
したがって、主治医や保険会社に手続を任せているだけでは、本来認定を受けられたはずの後遺障害等級が「非該当」とされてしまうリスクがあるのです。
このように、「見えない後遺症」を後遺障害として認定してもらうには、医学的知識を有する主治医の協力のみならず、後遺障害等級認定実務の専門知識を有する弁護士の協力が重要です。
今回は最もポピュラーなむち打ち症を例にご説明しましたが、「見えない後遺症」には、精神面での変調をきたす「高次脳機能障害」や「PTSD」、身体症状として表れる「脳脊髄液減少症」や「複合性局所疼痛症候群」など、様々な種類があります。
いずれも後遺障害の認定にあたっては、医学的・法律的に困難な問題が生じる可能性が高いものです。
弊所は交通事故専門チームを設立し、これまで数多くの交通事故案件を手掛け、ノウハウを蓄積してまいりました。交通事故の後遺症でお悩みの方は、是非一度ご相談ください。
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