「マンネリかな?」

朝一のミーティングは、いつもようにシンプルに終わった。

みんながデスクに散らばっていく。

 

ブースに戻り、さっきの続きを考えることにした。

 

雨が降ると「零」になる。

またsumとは足し算、つまり「和」を示す関数を示す単語。

 

「令和」時代とは・・・?。

つまり、それは雨が降って「零和」になる時代。

 

ここでかすかな記憶が蘇ってきた。

たしか学生時代の講義で、経済学の教授が「零和ゲーム」と言っていた。

経済学でゲームとは、社会(あるいは市場)の構成員間にはたらく法則性を記述する諸々の理論のことだった。

 

つまり令和時代には、「雨降って地固まる社会」ではなく、「雨降って零和ゲーム社会」が到来するといった意味が秘められているのではないのか?

 

「チーフ!もうすぐプレゼンが始まりますよ。」

「レイワ・プロジェクト」メンバーの女子社員、浅川犀子の甲高い声に思考が中断された。