初めて豊川稲荷に行った時は
まだ寒い冬の頃

曇り空が心を重くする日だった

そんなお天気だったからか
それとも独特の雰囲気に
勝手に自分の気がやられたのか

不慣れな自分は
そそくさとお参りして撤収
それからしばらく、足が遠のいた



数ヶ月が経ち
ふと、また行ってみよう
という気持ちになった

季節は春
お天気も良い、暖かな日

前回はおっかなびっくりだったが
今回は違う

もっと落ち着いて
ゆっくり廻ろうと心に決めてた



奥之院にも、御挨拶させて頂く

お世話になった方々のお幸せをと
その名前を言おうとした時
一番最初に出た名前は
一番苦手な人物の名前だった


驚いたのと同時に
心に凝り固まっていたものが
やさしく溶けていくのを感じた

思わず、すぐ右隣から視線を向ける
お狐さんの目を見つめてしまった

神様ってすごい

こんな風にして
負の感情を溶かして下さるのかと。



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