元毎日新聞記者の西山太吉氏が先月の24日に
亡くなった。

「西山事件」について
知らない人の為に経緯を説明しておく。

山崎豊子が、これを題材にした「運命の人」という
小説を書いており
2012年にはモックンと真木よう子でドラマにもなったので
覚えている人もいるだろう。


西山氏は、毎日新聞社の記者だった1971年に
沖縄返還をめぐる政府の密約文書を入手しスクープした。

スクープの内容は、土地原状回復費として400万米ドルを
アメリカが支払うとしていたが
実際には日本政府が肩代わりして
アメリカに支払っていたという話である。


問題はその情報の入手方法だ。
西山氏は、事務官の女性に近づき
上手いこと垂らし込み男女の関係となった。

その中で、機密文書の持ち出しを
女性事務次官に依頼するのだが
事務次官は既婚者であったため
旦那に関係をバラすと脅され
拒むことが出来ず犯行に及んでしまう。

西山氏は、機密文書の持ち出しに成功した後に
用済みとばかりにあっさりと事務次官を切り捨てたのだが
後にこのことが発覚して
密約文書のことが消え去るような
大バッシングを受けることになる。
そして、二人とも逮捕された。

女性は夫にも捨てられ、事務次官の職もクビになり
悲惨な人生を過ごすことになる。


未だに西山氏を擁護する人もいるが
正義の為なら何をしてもいいという考えに
僕は同意できない。

何をもって「正義」というかは
人それぞれで、例えばプーチンにとって
ウクライナ侵攻だって正義だ。



そして、これは素人考えなんだけど
そもそも密約文書のことを公表することに
どれほどの意味があったのだろうか???

僕が生まれる前の話なので当時の空気感は解らない。
ただ、国家間のやり取りは簡単ではない。
それこそまともにやってても進展なんかしない。
沖縄を返還する為に
そうするしかなかったのなら仕方ないことではないのか…。

北方領土だって
お金払って取り戻せるならそれで良くない?
…と思うのだけど。