公演中の「ショウ・マスト・ゴー・オン」は
劇団「東京サンシャインボーイズ」で公演した舞台で
1994年以来、28年ぶりの再演となる。

公演進行中の舞台裏を描くストーリーで
「一度開いた幕は何があっても途中で降ろしてはいけない」を
合言葉に、裏方たちが右往左往するドタバタコメディーだ。

そんな舞台で、現実でも次々と困難が待ち受けた。

小林隆の左足筋損傷に始まり、
シルビア・グラブの体調不良、
浅野和之の新型コロナウイルス感染。

その度に、脚本・演出の三谷幸喜が代演してきたのだが
最後の最後で主演の鈴木京香が
新型コロナウイルスに感染してしまい
三谷幸喜が「主役」まで演じることになった。

そして、僕のチケットは
その三谷幸喜の主役回なのである。

30年も三谷舞台を観てきて
今までもいろんなことがあったが
このパターンは初めてである。


過去には、松岡茉優が体調不良になった際に
女性の役だったこともあり黒子の衣装で演じていたが
今回は、女性役を男性役に変更し
しっかり一役者として真摯に舞台に取り組んでいた。

主役なので、最初から最後までほぼ出ずっぱり。
役者として観た場合、決して上手くはないが
舞台を楽しむには十分なレベルだ。


思えば、僕が初めて三谷幸喜という人間を意識したのは
深夜ドラマの「子供ほしいね」だった。
その作品で、三谷は脚本家でありながら
出演もしていたのだ。
この変な人はなんだろう?…というところから
僕の三谷ファン歴は始まるのだけど…
ふと、そんなことを思い出してしまった。


鈴木京香には悪いけど
こんな貴重な舞台が見れてラッキーだったなぁ。