半沢直樹の8話で唐突に出てきた
副頭取の自殺の話。
原作は、この自殺から物語は始まるので
ようやく出てきたという感じだ。
そして、そこに関連するのが
旧Sと旧Tという出身派閥の話。
東京中央銀行は、産業中央銀行と東京第一銀行の
合併によって生まれた銀行である。
それぞれ旧Sと旧Tと呼ばれている。
原作では、出身銀行による派閥が
度々描かれているのだが
ドラマ版ではほとんど描かれることはなかったので
てっきり触れないのかと思っていた…。
ちなみに、中野渡と大和田の出身銀行は
ドラマと原作で異なり、逆になっている。
原作では中野渡が、旧Sで
大和田が、旧T。
これは前シリーズからそうしてしまったのだが
ハッキリ言ってなんのために
こんな余計なアレンジをしたのか全く意味不明だ。
ドラマ版では以下になっている。
旧産業中央銀行(旧S)
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半沢
渡真利
富岡
大和田
旧東京第一銀行(旧T)
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中野渡
紀本
牧野(元副頭取)
トップは旧Tばかりだ。
原作では、旧Tが巨額の不良債権を抱えた末に
旧Sと合併したのだが、ドラマでは逆で
旧Sが巨額の不良債権を抱えたことから
旧Tと合併したことになっている。
なので、頭取を始めとしたトップは
旧T出身者ばかり…という図式は間違ってはいない。
しかし、そうなるとドラマ版では
辻褄が合わなくなる部分が出てくる。
旧Sの不良債権を請け負うということは
旧Tは、経営状態が良かったということである。
ところが一方で、旧Tは
(富岡によると)表に出せない不正融資がわんさかあり
合併時に問題になったとのことだった。
いくら経営状態が良かったとはいえ
不正融資ばかりの旧Tの人間達が
経営権を握るって変な話なのだ。
原作の通りに、
旧Tの経営状態が悪化
⇒不正融資に手を出す
⇒どうにもならなくなって旧Sとの合併に頼る
…という流れの方がしっくりくる。
当然、代表には旧Sの中野渡であり
中野渡が信頼する部下の半沢に
指示を出すのは当然の成り行きなのだ。