「ラストレター」は大人の恋愛映画だった。

1から10まで全てを語らない。
そういう意味での大人の映画だ。

人は迷うし、間違えるし、後悔もするし…。

大学時代に何があったのかは
想像するしかないんだけど
いろんな掛け違いがあったのだろう。

乙坂(福山雅治)が阿藤(豊川悦司)に
罵倒されるシーンがあるが
それに対して何も言い返せない乙坂。
これが大学時代に何があったかの答えなのだと思った。


あと、メールではなく手紙であるところが
この映画の良さだが
スマホが水没して手紙を書く流れも良かった。

裕里(松たか子)はスマホ水没後
スマホを買い替えなかったワケではないだろう。
メールを夫に見られて誤解されたこともあって
なんとなくメールは躊躇したのだと思う。
それに手紙なら一方的に送れるしね。

そんな手紙が複雑に絡み合う
奇妙な展開になっていく。
この辺りは岩井ワールド全快だ。

結局、大きな進展は何もないんだけど
登場人物たちは、次の一歩に進むことが出来た。
前を向いて歩き出すことが出来たのだ。




最後に、写真が大学時代から一枚もないことを
あり得ないと言ってる人がいたが
それくらい追い詰められている毎日だった
ということなんだ。
娘が顔を腫らして助けを求めにくるくらいだから
写真なんかとてもムリだったのだろう。

あと、駆け落ちはしたけど
2人が、籍を入れたのかはよく解らないんだよなぁ。
阿藤が一ヶ月ぶりにアパートに帰ったら

居なくなってて、そのままという感じだし。