ピンク色の白衣を着た女が
裏むけた安産祈願
数える数字に導かれて
いつか血液に注入した
夢心地に似た感覚の中
あたしの身体の中に宿った何かが
なくなっていく。
あたしの身体を通り過ぎてく
男たちになんの感情もうまれなかった。
なんの感情もいらなかった。
爆音を漏らす
黒い箱の中が
唯一
息がしやすい場所
求めてはいけないものなら
手に入る
くだらない女で充分
大切なものもわからないままで
いたかった
壊れてしまうものなら初めから
いらなかった。
壊れた後の笑い方も
うまく身に付けたハズが
忘れてしまいそうな
今がこわい
紺色の制服を脱いで
金色に染めた髪を
纏めたあの時に
捨てた
脱がないと決めた赤いヒールも
ダンボールの中のたくさんヒール達と
寂しそうな顔
壊れてしまうものなら
はじめから
いらない。
神か
見知らぬ誰か
どちらでもいい
誓いなんて
すぐ壊れる
シャッター音が聞こえる場所に
いる限り
壊れてしまう愛も
息が苦しくなる恋も
女のお遊びのような友情も
いらなかった
いつか嘘になる男たちの
“愛してる”も
女達のバカにした話し方も
汚い嫉妬心も
なにも言わず受け入れてきた
だから
一見安心な空間なんて
これっぽっちも求めていない
一見幸せな空間だけは
求めていない
壊れるものなら
はじめから
いらない
Android携帯からの投稿






