星に願いを…

星に願いを…

超新星に恋焦がれてる毎日。
ときおり心に浮かぶ妄想を小説にしてみます。

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【ジヒョクの恋…エピローグ】

 

最後のファンとの握手が終わると、

会場から拍手が起こった。

 

「おつかれさまでしたー!」

 

楽屋への廊下ですれ違うスタッフが声をかけてくれる。

それに対してメンバー全員が

 

「おつかれさまでしたー!

 ありがとごぢゃいました!」と返す。

 

多くのファンと触れ合った握手会の後は

いつも満足感がある。

特に、今日は彼女に会えたし。

俺はウキウキしながら楽屋へと入りソファに座った。

水を一口含むと、

 

「けっこう可愛かったね、彼女」

 

と耳元でソンジェヒョンの声。

 

「ブファーーーー!!!アセアセアセアセアセアセ

 

俺は思わず、口に含んだ水を噴き出した。

 

「あーはっはっは!!、爆  笑ジヒョクー!音譜

 

とヒョンが爆笑している。

ユナクヒョンやソンモがこっちを

呆れた顔で見ている。

 

「あ、あの、ヒョン…。」

 

俺は声が出ない。

 

(やめて!やめて!それ以上言わないで!)

 

と懇願するようにソンジェヒョンに目で訴える。

ヒョンは楽しそうに俺の表情を眺めると、

 

「ジヒョク~ラブラブ 大好き~ラブラブ

 ミュージカル行くからね~ラブラブ

 

と裏声で女の子みたいに可愛く言うと

俺に抱き着いてきた。

 

(きっとこれ、彼女の真似だ…)

 

「ジヒョク~~ラブラブ

ヒョンは抱きついて俺をゆする。

 

「ヒョン、やめてやめて!近い!近い!」

 

するとまたソンジェヒョンが耳元で囁く、

 

「頑張ります、またね…」

 

「あぉーーーーっ!!ガーンヒョン!お願い!

それ以上は!アセアセアセアセアセアセ

 

(バレるからやめて…)

最後の言葉は必死に飲み込んだ。

 

握手会の時、俺の隣だったソンモに絶対バレちゃう。

あいつ、よく見てるし、勘がいいし…。

ソンジェヒョンの腕をほどきながら、

チラッとソンモを見ると、見てる…。

 

俺を。タラー

 

しかも、何かを思い出すかのような目で…。

 

(あーあーあー!もう!ヒョン!

 これでソンモにバレたら

 ゆるさないからなーーーー!)

 

ヒョンはひと通り俺をからかうと満足して、

ようやく俺を開放してくれて、

着替えを始めてくれた。

 

俺も着替えなくちゃ。

 

帰り支度をしながら、やっぱりさっきの彼女との

10秒間を思い出して、自然と鼻歌。

 

ちらっとソンモを見ると、

目があった。

 

(え?ソンモ…。イヤな予感…)

 

すっと近寄ってくる。

 

「ねえ、なんかあった?」とソンモ。

 

「ん?なんで?」と俺。

 

「なんかいつもと違うから」

 

「そ、そう?どこが?」

 

「うーん。それが、

 なんだかよくわからないんだけど」

 

とソンモは俺をじっと見つめる。

そして、今日あったことを思い出しているかのような

遠い目をした。

 

「気のせいじゃない?」

 

「そうかな。でも、なんかいいことあった感じ。

ソンジェヒョンとのやり取りもなんか変…」

 

ソンモは冷静に分析を始めた。

 

(やばい。これ以上ソンモに

 考察を続けさせちゃダメだ!)

 

「あ、ソンモ。ソンモどうやって日本語勉強してるの?

教えてくれる?」

 

と話題を変えようとソンモに質問した。

 

「え?どうした?急に」とソンモ。

 

「今日さ、ソンモが日本語でファンと話してるのみて

俺も勉強頑張らないとなと思ったんだよ」

 

すると、ソンモは一生懸命、勉強方法について語りだした。

 

(へへへ。作戦成功)

 

俺は、真剣な表情を作ってソンモの話に耳を傾けた。

ソンモの話は帰りの車の中まで続いた。

 

そして、宿泊ホテルに到着し、

メンバーはそれぞれの部屋に入っていった。

 

俺が自分の部屋に入ろうとすると、

ソンモは周りを見渡してから、小さな声で

 

「で、どの子だったの?好きな子は」

 

と言ってニッコリと笑った。

俺は、驚きのあまり、

何も言えずにソンモを見つめた。

少しの間があった後

 

「とにかく、恋するっていいよね。

 でも、ミルキーにバレないように気をつけてね。

 おやすみ」

 

と言って、ソンモは自分の部屋へ入っていった。

 

俺はひとりになると、

ソンジェヒョンやソンモの言葉を考え、

これからはもっと言動に気を付けなくてはと反省した。

 

けど…。

心が感じてしまうことを

止めることって難しい…。

 

胸がキューっとした。

 

そして、そんな苦しさを吹き飛ばすように

鏡に映る自分に叫んだ。

 

 

「俺は、みんなの宝物、

 パピ豚、ジヒョク~!

 ファイティン!」

 

 

(”ジヒョクの恋 エピローグ”  了)

 

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(注) このページに含まれる文章は私なぎ、によって作られたフィクションです。実在の人物やキャラクター、発言に関する事実は一切含まれておりません。