naggy(なぎぃ)の木 -20ページ目

小田巻蒸し

なぎぃの木 naggy イラストレーター 小田巻蒸し 昭和

寒い日に、ふと思い出す懐かしい料理があります。
小田巻蒸しです。

来客の有無やお祝い事などに関わらず、一年を通して、母はよく茶碗蒸しを作りました。
材料を揃えて蒸す準備をして…と思うと手間なように感じますが、
母曰く「小そぉ切って、あとは蒸したら仕舞やから簡単」だそうです。
彩りもきれいでちょっと豪華な感じがする上に、具沢山だと栄養満点で…という、
育ち盛りの子供がいると、最適な料理だったようです。
私は中学生くらいの頃、食欲旺盛で本当によく食べました。

ある日、学校から帰ると、いつものように母が茶碗蒸しを作っていました。
が、いつもの器と違って、小振りな丼に。
なぜかなぁ…と思って食べ始め、びっくりしました。
なんと、うどんが中に入っていたのです。
おだまき(小田巻)って言うんやで」と、母が教えてくれました。
もともと茶碗蒸しが好きだった私は、ボリューム満点のこのうどん入り茶碗蒸しが
大のお気に入りに。それ以降、よく作ってくれました。

何かのきっかけで、小田巻蒸しは、昔は大阪・船場の商家でお祝いの時の料理だったと
知りました。落語などにも出てくるようで、「いつか食べたい」と丁稚さんたちの憧れの
ごちそうだったようです。
うどんが入っているので腹持ちがいい…とは、さすが大阪商人と納得。

まだまだ寒い日が続くので、小田巻蒸しを作ってみたいなと思っています。

illustration  by naggy

鍋焼きうどん

なぎぃの木 naggy イラストレーター 鍋焼きうどん 昭和 土鍋

今の学生さんも、夜食に食べるのでしょうか…
鍋焼きうどんです。

父は凝り性なところがあり、今はそうでもないですが、以前は食べ物でも
「コレだ!」と思うと毎日食べ続けるところがありました。
鍋焼きうどんが好物で、若い頃、勤め先の近所のうどん屋さんから、
1年半ほど毎日出前を取り続けていたとか。
いくら好きでもなぁと思って訳を聞いてみると…

その当時、私の兄たちがまだ小さく、病気がちの祖母も家にいたため、
母は育児に家事に介護に加え、寺の法務の手伝いと多忙を極めていたそうです。
そんな母を思って、弁当箱に白いご飯だけ詰めて職場に持って行き、足りない分は、
鍋焼きうどんの出前をとっていたそうです。

「具ぅが多いからおかずになるし、おつゆにもなるやろ」という父。
ちょっといいなと思いました。

illustration  by naggy

「LPジャケ展09」 を終えて

なぎぃの木 naggy イラストレーター LPジャケ展09 caffe NEUTRAL 神戸 住吉

昨年の12月6日から約2ヶ月間、神戸住吉の caffe NEUTRAL で開催されていた
LPジャケ展09 』が、先日盛況のうちに終了しました。
ご来場くださいましたみなさま、ご一緒させていただきました参加者のみなさま、
オーナー様、ありがとうございました。

各自の選曲と個性あふれるジャケットの展示、とても楽しませていただきました!

今回のテーマは”HOLIDAY MUSIC ~休日に聴きたいオンガク~”。
わたくしの選んだ曲は、ABBAの『 THANK YOU FOR THE MUSIC 』でした。

会場ではLPジャケットやレコードとともに、ライナーノーツも展示していました。
以下に、ライナーノーツの文章を載せております。ご一読いただければ幸いです。

【ライナーノーツの内容】
『 私はみんなに歌をうたいたいの 』

今回のLPジャケ展09のテーマは『 Holiday Music ~休日に聴きたいオンガク~ 』。
私の選んだ曲は、ABBAの『THANK YOU FOR THE MUSIC(サンキュー・フォー・ザ・ミュージック)』です。

ABBAは、男性2人女性2人の4人組のスウェーデンのポップミュージックグループです。1970年代にヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、そして日本で絶大な人気を得て活躍していました。
子供の頃にテレビやラジオから流れてきて、タイトルは知らなくても耳に馴染んでいたABBAの数々の曲。『ダンシング・クイーン』『チキチータ』『マンマ・ミーア』など、有名な曲が沢山ありますが、その中で今回選曲し『 THANK YOU FOR THE MUSIC 』は、1977年にリリースされたアルバム『 The Album 』に収録されています。
この曲は、同年にオーストラリアツアーで披露されたミニミュージカル『 The Girl with Golden Hair 』の中の1曲で、日本では翌年の1978年にシングルカットされていますが、イギリスではABBAが活動を停止する1983年になってようやく最後のシングルとしてリリースされます。

この曲を作る際に、メンバーのベニーは「 誰もが一緒になって口ずさめるような曲 」を目指したそうです。アルバムリリース時から非常に人気が高く、世界中のアーティストがライブやレコーディングで歌っており、『ダンシング・クイーン』と並んでABBAを代表する楽曲の1つとなっています。

イラストを制作するにあたり、歌詞を調べてとても心に響くものがありました。それは、「気の利いたことも言えない、あまりぱっとしない自分だけれども、人に誇れる才能がある。それは歌うこと。私が歌うとみんなが耳を傾ける。わたしはこの才能に感謝している。わたしは皆に歌を歌いたい」というところです。これは、音楽をする人に共通の気持ちと思いますが、”歌”という部分を置き換えれば、表現をする人みんなに共通する気持ちだと思いました。

また、今回のLPジャケ展09では、メインビジュアルを担当させていただきましたので、自分の作品はそれと連動させたものにしようと考えました。
太陽の光のふりそそぐ、広々とした草原にピクニックに来ている親子。お母さんは手を叩いて声援を送り、寝転んでいるお父さんは自分の手前に置いているポータブルレコードプレーヤを操作しています。その音楽に合わせて小さな金髪の女の子が踊りながら歌っている…

そんな幸福感のあふれる、楽しくてのどかな休日を、この『 THANK YOU FOR THE MUSIC 』を聞くたび、連想しています。この曲の歌詞にあるように、音楽を発見した人が誰かはわかりませんが、私からも言いたいと思います。
「音楽をありがとう」と。

LPジャケ展09/Holiday Music~休日に聴きたいオンガク~ 詳細
LPジャケ展 公式ホームページFBページ

illustration  by naggy