千種の予備校に通っていた浪人時代

身体検査を受けるのを忘れ、名古屋駅の校舎に受けに行った帰り
空腹に耐えかね、
愛知県図書館の傍のうどん屋に入った

4時50分ぐらいと言う微妙な時間帯
ドアを開けた瞬間僕はこの店に入った事を後悔した

再々と言う言葉がいくつも付きそうな刑事モノを眺めている初老の店主と新聞の広告を座敷席で眺める妻
 そして飼犬らしき大型犬
 
飲食店に有るまじき犬の獣臭 その日掃いたという形跡の見えない 犬の毛の残る床

僕が それまで経験した中で最も汚い飲食店 喫茶マウンテンが無菌室に見えるほど汚い

何にしましょう そう言って渡されたメニューのなかでもっとも無難そうな
冷麦を選択  待つ事 7分

ガラスのボウルに水につかった冷麦がワカメと一緒にそよいでる
汁にも氷が無い

一口すする  ヌルイ  ヤマサの濃縮汁そのままの常温の味が口腔内を満たす

そして冷麦は半煮え 乾物の味がする

勿体無さから必死で完食したが それから3週間ぐらい麺類を食べようと言う気が起きないぐらい
打ちのめされた経験だった

この話をすると友人は皆  その店を教えろよ そう言う

そして実際2人その店に行った    

何故地雷を踏みに行きたがった人間が踏んで 情報提供者に怒るのだ

Hと Kよ 

いまだに納得がいかない

店構えが古そう だったが あんな腕でよく 店が古びるまで
営業できたもんだ

B級グルメ好きは 汚い店構えの店をチャレンジする事を奨励している

物事にはなんにでも限度というモノがあることを この店は教えてくれた