マルタン:無伴奏二重合唱のためのミサ、メシアン:5つのルシャン、他 (Martin : Mes.../ダニエル・ロイス

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 マルタンのミサ曲の良い演奏を見つけたので、紹介したい。ロイスとRIAS室内合唱団による演奏だ。マルタンの「アリエルの5つの歌」とメシアンの「5つのルシャン」と「ああ聖餐よ」も収録されている。

 RIAS室内合唱団も、数々の名演を残して来た名門合唱団のひとつだ。実力は申し分なく、基本この合唱団が歌えば、その曲の定番CDになる。録音の数も大変多く、迷えばこの合唱団を手に取れば良い。以前紹介したバイエルン放送合唱団と同じドイツの合唱団だが、ドイツらしい重厚さに加え洗練されたアンサンブルを兼ね備えている。実力的にはバイエルン放送合唱団を上回り、ドイツで一番の合唱団と言っても過言ではない。

 ロイスのマルタンは落ち着いた静かな演奏だ。劇性の高いマルタンのミサ曲をこのように解釈したのを聴いたのは、初めてかもしれない。時に怒り、悲しみながら、語りかけるように曲は進んで行く。切々とした朗唱を聴いているようだ。アンサンブルがよく練り上げられているので、テンポが遅くても演奏が弛緩することはない。全体を貫く哀切感が胸に染みる。ハーモニーの美しさと広がりは相変わらず見事だ。だからこそ数少ない粗や傷が目立ってしまうが、とやかく言うレベルではない。他の曲の出来は更に良く、特にメシアンはなかなか。

 ちなみにこのCDは最近再販された廉価盤で、700円たらずで手に入る。この演奏は長らく廃盤となり、入手困難な状態が続いていたので、合唱ファンにとっては朗報と言える。根強いファンが多かったのかもしれない。このブログでは幾度と繰り返して来た文言だが、「マルタンのミサ曲は合唱ファンならずとも一度聞けば引き込まれてしまう名曲なので、絶対聞いてほしい」。

ちなみに、フォントのサイズを変えるだけで文章の印象って変わりますね。なんか大きいと親しみが持てる一方ちょっとバカっぽく見え、小さいと読みにくいけど、ちょっと知的に見える。どっちが良いだろう。