Liszt Collection/F. Liszt

¥11,661
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 やはり出ましたね。ユニバーサルからリストの生誕200年を記念した大型ボックスが。リストは作品数が多いので、すべてを網羅するというわけにはいかなかったようだが、それでも34枚組と大奮発である。

 ユニバーサルはブラームス(46枚組)、シューマン(35枚組)、マーラー(18枚組)でも同様のボックスを発売しており、僕は全部購入している。下宿生活が始まって苦しいが、今回ももちろん購入するつもりだ。それだけの価値がある。

 まずこれらのボックスは、その作曲家の世界へとどっぷり浸かるきっかけになってくれる。シューマンはそれほど興味がなかったが、このボックスのおかげで今では好きな作曲家の一人となっている。全部聴かずとも、常にその作曲家と触れ合える状態にあるというだけで、このボックスの存在意義があるように思う。色々な名盤をよりあわせたオムニバスボックスよりも、一人の作曲家に焦点を当てた企画の方が僕は好きだ。

 特に今回は、全くのノーマークだったリストだけに喜びは大きい。リストとえいばピアノというイメージがあるが、本ボックスでピアノ曲は34枚中12枚と押さえられており、リストの全体像が把握できるよう考慮されている。
 オーケストラ曲や協奏曲をふっている指揮者は豪華だ。カラヤン、小澤、ショルティ、シノーポリ、ハイティンク・・・歌曲もフィッシャー=ディースカウが担当していて、文句はない。
 そして合唱ファンの自分としては、宗教声楽曲に6枚も割いてくれていることに注目したい。気づけば僕は、リストの宗教曲のCDを一枚も持っていないのだ。リストは僧籍まで取得していたようで、敬虔な信者だったリストがいかなる曲を作り上げたのか、楽しみでならない。しかも「十字架への道」はオランダ室内合唱団、「二つの伝説曲」はRIAS室内合唱団と、実力のある合唱団の録音であることが二重にうれしい。
このボックスは演奏者がユニバーサルらしく「やたらと」豪華なのも魅力のひとつなのだ。

 最近CDを買う余裕がないので、ツンドク状態になって棚に眠っていたCDを取り出してきては聴いている。また楽曲そのものに興味が出てきて、少しでも自分の知らない曲を聴くことにしている。すると、難解な現代音楽であっても、初見からそれなりに良いところが見えてくるようになってきた。一つの曲に対して色々な演奏を楽しむのもいいけれども、やはり若いうちは多くの曲に接して感性を養った方が良いと思う。だから僕の知らない曲が詰まった37枚ものCDが届くとなると、よだれが出てくるのだ。ぐひひひひ。失礼。