$あかでめいあ

 今年の大晦日は団欒から離れて、ネット配信されていたマゼールのベートーヴェン交響曲全曲演奏を聴く。

 第五と第九だけ全部聴いた。
 まずオケの安定感が抜群だった。担当していたのは、岩城宏之メモリアル・オーケストラ。日本のオーケストラは、なぜ常設オケよりもサイトウキネンをはじめとした特設オケの方がずっと良い演奏をするんだろうか。こんなに良い演奏を聴かされたら、常設オケは手を抜いているんじゃないかと思えてくる。それほど良い音をこのオケはならしていた。
 そしてオケを見事にコントロールする巨匠らしいマゼールの堂々たる指揮ぶり。少々のことでは動じない重みのある、じっくりと、そして粛々とした演奏だった。特に強弱や曲想の描き分けが見事で、時に厳しく時に優しく。僕が印象的だったのは第九の第三楽章で、内面に深沈してくいうような落ち着いた音色に陶酔させていただいた。全体的にやりたい放題やっている印象をうけたが、ここまで自分の主張を演奏にしっかり込めれている演奏は良いものだ。
 ただ少々大げさというか、狙った演出が若干耳についた。盛り上がりの箇所では意図的にスピードを落とし、ためて一気に爆発させる。きっとたくさんの人が大喜びするだろうと思う。鈴木敦史がツイッターで「ケレン味」という表現は使っているが、的を得ているだろう。ただ、その演出をマゼールほど見事にやっている人はいない。
 最後に声楽に関して言及させてもらう。合唱を担当していたのは、日本が誇るアマチュア合唱団の晋友会合唱団だ。いつもながらアマチュアとは思えない見事な演奏を聴かしてくれた。日本でこれ以上のクオリティの合唱団はそうそうないだろう。しかしソリスト、特にテノールがひどい。最後の聴かせどころでも声が裏返り、アンサンブルでも埋もれて聞こえない。アマチュア合唱団が頑張ってるだから、ブロは頑張れよ!!
 ただそれに対してブーイングをするのはいかがなものか。空気読めよアホたれ。こういうバカな愛好家が、クラシックの敷居を高くするのだ。あぁ、嫌な気分。あと、ブラボー言うやつは良い声でやってほしい。日本人らしい幼い声は、演奏の品格をぶち壊す。録音して聴かせてやろうか、このやろう!
 これはみんな聴くべき名演だった。あとむちゃくちゃ高画質で高音質だったのには驚かされた。来年も楽しみやね。
 
 さて、幸運にも教育でやっていたアーノンクールのバッハロ短調ミサを聴きながら年を越した。僕の最も愛する曲で年を超せて感無量である。
 アーノンクールの怪しい風貌を見ながら聴くと、スケールが大きく聞こえた。そして曲が終わった後の、全てを出し尽くした様子のアーノンクールの姿に感動してしまった。フライングブラボーのない静寂の中、震えながら眼鏡を胸ポケットにしまうアーノンクール。彼の姿が目に焼き付いて離れない。全身全霊の素晴らしい演奏を聴かせていただいた。

 僕がクラシック音楽の最高傑作と考えてるドナノビスパーチェムで新たな年を迎えられて、来年は良い年になるような気がしてきた。神様、私に平安をお与えください。。。。

それでは、あけましておめでとうございます!!!
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