謹賀新年
年末年始の東京は穏やかな晴天に恵まれ、地元の神社に元日の午前零時前から多くの初詣客で賑わっていました。
一方、昨年の元日に発生した能登半島地震(さらに9月の豪雨災害)に見舞われた被災地の皆様方には、未だ復旧道半ばで不自由な生活を強いられていることに対し心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧復興を実現するべく、政府・自治体を挙げて全力で取り組む所存です。
今年も大國魂神社の初太鼓で一年のスタートを切りました
さて、昨年10月の衆院選は、「政治とカネ」の問題に決着がつかないまま突入することとなり、自民党に対する厳しい審判が下される結果となりました。他方で、野党に政権が移行するとの選択もなされず、臨時国会は少数与党での難しい舵取りを迫られることとなりました。
この「新しい現実」を前に、石破政権では、残された政治改革の課題を解決するため、公開の場で与野党の論戦や政策協議を大胆に進めて、3つの改革法案(①政策活動費の廃止、②旧文通費の使途公開、③政治資金監視のための第三者機関の創設)を成立させました。
同時に、国民民主党とは「年収103万円の壁」、日本維新の会とは「高校無償化」、立憲民主党とは「補正予算案の修正」をめぐって政策協議を進め、(継続審議案件も含め)一定の与野党合意を実現させることができました。今後とも、昨秋の衆院選で示された直近の民意に基づき、謙虚に真摯に与野党協調の政治を推進して参ります。
そのような中、我が国を取り巻く内外情勢は一層厳しさを増しています。昨年は世界的な「選挙イヤー」と呼ばれ、1月の台湾総統選に始まり11月の米大統領選挙に至るまで、じつに40億人が国政選挙に参加したとされます。その結果は、日本を含むあらゆる民主主義国で与党が全敗となりました。とくに、お隣の韓国ではその後遺症が激しい形で表れ、欧州でも極右政党の台頭が懸念の種となっています。
旧知のキャンベル国務副長官と意見交換して、日米同盟の更なる強化を誓い合いました
その中で、米国では「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領が復権することとなり、世界中が身構えています。
私は、まだ大統領選の余韻が残る11月下旬にワシントンを訪問して、バイデン現政権高官とともに、トランプ政権に近い上下両院議員や外交安保チームの人々と意見交換をして参りました。その結果、以下のような対米方針を石破総理と共有しました。
第一に、トランプ政権に対して「受け身」の姿勢にならず、我が国の国益を見据えた戦略的な政策パッケージを準備して提案し、協力を求める。
第二に、インド太平洋における平和と安定と繁栄を確立するために過去5年余りで取り組んできた日米同盟を中核とする多国間の安全保障協力は、さらに継続強化するよう働きかける。
第三に、トランプ政権が引き上げを予告する関税問題や、トランプ大統領が得意とする「二国間ディール」の衝撃(例えば、米朝首脳会談など)にも耐え得るような盤石な官民の体制構築を急ぐ。
また、国内では、以下の課題解決に待ったなしで取り組みます。
第一に、経済政策です。いま、岸田政権以来取り組んできた「成長と分配の好循環」政策が実を結びつつあります。円安効果もあり、株価は史上最高値を更新し、大手企業を中心に史上最高益を挙げ、政府の税収も過去最高となりました。したがって、今年の最大の課題は、この「恩恵」を国民・勤労者へ惜しみなく還元することに尽きると思っています。物価高を上回る賃上げと共に「手取り」を増やし、困窮世帯への支援や中小小規模事業者の価格転嫁を促進し賃金アップや投資に振り向けられるよう、税制や財政など全政策を集中させます。
第二に、産業政策に係るエネルギー問題の解決です。日本経済は、最先端半導体をはじめとする革新的技術が牽引する力強い成長軌道に乗りつつあります。5G通信の次の「6G」時代を拓く光電融合や、曲がる太陽電池ペロブスカイトなど、世界に冠たるオンリーワン技術が次々に生み出され、世界からの投資が集まっています。いずれもAIやデータセンターなどと同様、大量に電力を消費します。電力供給が次世代産業の振興を妨げるボトルネックとならないよう、脱炭素電源でもある原発の再稼働を加速化せねばなりません。再生可能エネルギーについては、環境破壊や経済安保の視点にも配慮しつつ、家計を圧迫している「再エネ賦課金」(※)の削減に着手する必要があると考えます。
※再生可能エネルギー発電の電気を電力会社が固定価格で買い取り、消費者がそのコストを負担する仕組み。一般家庭でも電気料金に月額約1000円上乗せされている。
昨年12月、超党派こどもの貧困対策推進議連で石破総理大臣に児童扶養手当拡充の申し入れを行いました
第三は、安全保障と並ぶ私の政策の主軸でもある「こども子育て政策」です。政策目標は既に明確です。すなわち、第一に、妊娠時から親子に寄り添う「日本版ネウボラ」の推進、第二は、妊娠出産の経済的負担をゼロに、第三は、親の就労の有無にかかわらず全てのこどもに保育サービスを保障する体制の整備です。今年は、この目標を実現するため、超党派の議連などを通じて一つでも二つでも具体化していく所存です。
戦後80年にして昭和100年の節目を迎えた今年は、日本の政治の真価が問われる年となると思います。私は、引き続き、「未来に誇れる日本」の実現を目指して、全身全霊全力を傾けて参ります。
衆議院議員 長島昭久拝


