即座にYesかNoかで答えなければいけないというのは、日本人には難しいことだと思う。
 
何か物を聞かれたときに、「No」と答えたら相手は傷つくんじゃないだろうかとか
残念がったり嫌な思いをしたりするんじゃないかとか、いろいろいろいろ考えてしまった挙句に「No」が言えなかったり。
こんな思考の持ち主(私もそのタイプだが)には、「No」と言うことは非常に難しい。
 
だけれど、本当はそんなことはなく、はっきり言ってくれた方が相手にとってもいいんだということは
大人になってからの友達に何度となく教えられてきた。
無理なことには、はっきりと「No」と言った方が、相手もすっきりするし、自分も無理をしなくてすむ。
わかってはいるんだけれども、なかなか実行できない超日本人気質(薩摩気質かしら)な私。
 
外国で7ヶ月過ごし、一時帰国していた息子が、興味深いことを話してくれたので紹介する。
息子がバイトしているレストランでのことだ。(日本人は一人もいない)
 
「Yes?or No?」
ことあるごとに聞かれるわけだが、あるとき、朝の清掃をしてくれないかと聞かれた。
息子は、入ったばかりの新米だし、ここはやるしかないだろうと思い「Yes」と答えた。
 
それから毎朝、6時半からレストランの清掃が始まった。
私と同じで、早起きの苦手な息子が毎朝6時半から、みんなが来る前に一人で掃除をする毎日。
他のメンバーは揃って「No」と答えたらしい。
別にいいんだけどね、自分で「Yes」と言ったわけだから。
そう自分に言い聞かせながら頑張った。
でも、わびしかったのは、その頑張りを認めてもらえなかったことだったと。
「Yes」と答えたということは、その仕事が好きだとしか捉えてもらえない。
みんなが嫌がることを進んでやることが美徳だと考えるのは日本人の思考。
黙って耐えてたって評価なんてしてもらえない。
「Yes」と言ったら「Yes」で、「No」と言ったら「No」なんだと。
 
そんなことを切々と語っていました。
そうか、そうなんだ。
言葉にしないことをあれこれ憶測して思いやったり、頑張りを認めたりするのは日本人的思考なのね。
 
息子は、そういう部分は日本人の良いところでもあると改めて思ったし
でも、そんなことが通用しない場所があることもわかった。
これからも自分に出来ると思ったら「Yes」と答えるし、無理だと思ったら「No」と答えるけどね。
そのまんまだよ・・・・・・あはは~ ですって。
 
かあちゃんも、人の気持ちばっか考えてて自分の気持ちを偽っちゃダメなんじゃないの
 
なんて言われてしまい
うーーーーー息子にこんなこと言われるとは・・・・・と、情けないやら、ちょっぴり嬉しいやらでした。
というか、こういう話をできることが嬉しいんですね。