「叱ってからほめる」よりも

「ほめてから叱る」ほうが、

どちらかと言えば好ましいのは

明らかです。

 

しかし、「ほめてから叱る」も

決して万能だとは限りません。

 

「ほめ量」と「叱り量」のバランスによっては、

かえって逆効果になる場合もあります。

 

 

【ほめ量<叱り量 の場合】

 

ながれ君、

(* ̄∀ ̄)/(゚∇゚*)

君はいつも、

一生懸命やってるね。

 

     \(゚∇゚*) ハイ♪

     ありがとうございます!

 

ところで、

(メ ̄◇ ̄)/

君は注意力が足りないな!

この書類にしたって、

誤字脱字は多いし、

日付も間違っている。

新人だってこんな間違いしないぞ

 

     (T_T;) ううっ

     申し訳ありません


     どうせ私は新人以下ですよぉ~

     ε=ε=(メT_T)ノ フン!

     スタスタスタ!

 

 

このように、

後の叱り方があまりに激しいと

最初のほめ効果は、

ほとんどなくなってしまいます。

 

 

 

【ほめ量>叱り量 の場合】

 

ながれ君、

(* ̄∀ ̄)/(゚∇゚*)

この間の企画書、

すごく良かったよ!

その調子で頑張ってくれ!

期待してるぞ♪

 

     \(゚∇゚*)/ハイ♪

     ありがとうございます!

 

     フフフ

     (゚∇゚*) ホメラレタ~♪

 

ところで、

(メ ̄◇ ̄)/(゚∇゚*) ホメラレタ~♪

君はおっちょこちょいだな

この書類にしたって、

誤字脱字は多いし、

日付も間違っている。

気をつけたまえ!

 

     フフフ

     (゚∇゚*) ホメラレタ~♪

      ↑ 聞いちゃいない

 

     <(゚∇゚*)> そう言えば

     何か怒ってたみたいだけど

     ま、いっかぁー♪

     ε=\(*゚∇゚)/

        ホメラレタ~♪

 

 

人によっては、

最初に持ち上げすぎると、

浮かれすぎて、

その後の叱る効果が

ほとんどなくなる場合もあります。

 

「最初の刺激による感情の影響が

 それ以後も継続して残る」

という心理現象「初頭効果」が、

今度は、

「ほめる」に対して強力に働くのです。

 

そういう人に対しては、

最初にほめ過ぎないよう、

手加減する必要も出てきます。

 

 

この例からも分かるように、

「ほめてから叱る」の効果は、

ほめる側(叱る側)、

または、

ほめられる側(叱られる側)の

パーソナリティーや、

両者の関係によっても、

大きく変わってきます。

 

時には

「叱ってからほめる」ほうが

効果がある場合もあるでしょう。

 

そう考えると、

「ほめてから叱る」は、

相手に対する情報が何もない時の

暫定的な対応であり、

相手のパーソナリティーや反応を

じっくり観察しながら、

個別の「処方箋」を考えていくしかありません。

 

「そんなの面倒臭い!」

と思われるかも知れません。

その通りです。

人間関係ほど面倒臭いものはありません。

 

「ただで忙しいのに、

 そこまでやっていられるか!」

その通りです。

普通は、

そこまでやっていられないので、

上司と部下の間で、

さまざまな軋轢(あつれき)が生じるのです。

 

 

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(作 ながれおとや)

【サラリーマン顔文字漫画劇場】

【40】「ほめてから叱る」は万能ではない

 

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