こんにちは、九州工業大学工学部4回生です。

卒業間近なんでいろいろ整理してたらいつ書いたかもおぼえてないクソブログが出てきましてね。どんだけ生協嫌ってたんだと。まあー見づらいし内容うっすいし。でも本当のことしか書いてないです。

でもこれはちょっとなってことで、とりあえずつらつらと新入生に向けてこれは知っといた方がいいんじゃないの的なことを書いときます。工学部中心ね。情報工学部は知りません。

 

1.とりあえずサークルには入れ。新歓にはいきまくれ。ぼっちには絶対になるな。

はい、大学生活で一番大事なことです。学生の本分は勉強だのなんだの言うやつもいますがそんなのは当たり前です。コミュニティに所属して人間関係を構築すること、チームとして目標を設定してそれを達成するよう動くこと。これらははっきり言って勉強より一億倍くらい大切です。

そもそも皆さんはどうしてこの大学に入学するようになったのでしょうか。いろいろあるとは思いますが、九州工業大学は就職に強いという評判が一つの理由になっているのは確かでしょう。大手メーカーに多数のOBが在籍していることは事実ですし、東洋経済の『「有名企業への就職に強い大学」トップ200校』によれば九工大は11位にランクインしています。これに限った話だと実は九大などの旧帝大より上なんですね。

引用:

 

 

そういうわけなので、「九工大に入りさえすれば楽勝で大企業に行ける」という思考の1,2回生は多いです。

結論から言っちゃうと、「それはちょっと違うかな」って感じです。もちろん、他大学と比べるとハードルは大分低いけど。(実は就職面はランキング高いのに、年収面でのランキングでは他大学に結構抜かされている。その理由についてはまた別の機会に)

 

みなさんは就職活動、略して就活にて最も必要とされるものがなんだかわかりますか。答えはコミュニケーション能力と学生時代力を入れたこと、略してガクチカです。講義に真面目に参加して良い成績を取ることは皆さんが思うほど評価されません。プラスアルファで経験したことや挑戦したことが評価されやすいんですね。特にチームで成し遂げたことが最も好まれるでしょう。といっても別に難しいことをしろって言ってるわけじゃありません。とりあえずどうすればいいかわからない人はサークルに参加してください。どんなサークルがあるかわからないなら新歓イベントみたいなやつがあるので、とりあえず行ってください。新入生の皆さんは入学式から多数のサークルからチラシを配られるでしょう。そこにおそらく飲み会の日程か何かが書いてあるはずなので、とりあえず行ってください。タダでメシが食えます。いや、結構重要ですよ、これ。こんな機会は二度とありませんし、無理に新入生にお酒を勧める人も滅多にいないので安心していいです。意外とコンプラは守られています。

 

話が脱線しまくりですが要はどっかしらのつながりは持っとけって事ですね。別に一つのサークルにこだわる必要は無くて、複数入っても全然いいですし、4月中に入らなきゃ行けないみたいな決まりもありません。学生プロジェクトなんかは規模が大きくて結構な予算が下りるみたいですし、じっくり考えてみてもいいでしょう。九工大には寮もあります。面倒な課題もありますし基本的に1年しか住めませんが、家賃は安いですし他学科との交流が容易です。総合的に見て損は無いと思います。

#春から九工大 みたいな感じで事前に新入生同士で交流しておいてもいいでしょう。一つ言えるのは逆張りしても何一ついいことはありません

つらつらと書いてきましたがここで大事なのは何らかの組織に所属すること、縦のつながりをしっかり作っておくことです。逆に、ここで失敗すると一気にぼっちの可能性が高まります。ぼっちは理系では致命傷にすらなり得ます。

 

ここからは九工大におけるぼっちに訪れる悲劇ついて解説します。筆者は運良くぼっちは免れましたが、一歩間違えればあり得た未来なので、話しておきます。

 

2.大学の勉強は意味不明。先輩(からもらえる過去問)を頼れ!

見出しが結論です。大学の講義ははっきり言って理解不能です。特に専門科目では顕著でしょう。

みなさんは「数学で遊ぼ。」という漫画を知っていますか?非常にリアルに講義の様子を描写したシーンがあったので張っておきます。

 

はい、このまんまです。大学の講義では何がわからないかすらよくわからないことがあるのです。教科書を読んでもわからないし、講義を真面目に聞いてもよくわからない。

高校までは授業の内容って教科書を読めば理解できましたよね。もしそうでなくても、参考書の問題をいくつか解いていくうちになんとなく学習内容への解像度が高まっていったわけです。でも大学だとそうはいきません。なにせ、学習内容が大学ごとに違いますからね。教授が講義を担当して、テストを作って、採点をして…。講義の内容はほとんど教授次第な訳なので、独学での勉強はほぼ無理です

まあ講義の内容が理解できる人も存在しないわけではないですが、大体の人はそうではないです。しかも九工大は出席点が存在しないので提出物と試験の点数で全ての成績が決まります。専門科目の中には試験で全て決まるものもあります。なんなら、一つの講義でいい点数が取れず不合格になる(単位を落とす)だけで問答無用で留年することすらあります。

じゃあみんなはどうやって試験を乗り越えているのか?理解していないなら、試験でいい点数が取れる道理はない。それが普通です。…大学ではそうではありません。

 

過去問です。過去問が全てを解決しているのです。過去問を如何に手に入れるか。これによって進級が左右されると言ってしまっていいでしょう。

そもそも大学の教授ってどうして教授になったと思いますか?いろいろ理由はあるとは思うのですが、生徒に指導したくて教授になった人は恐らくこの世にいません。少なくとも僕は聞いたことがありません。そういうわけで、教授は傾向として講義に意欲的ではありません。そんなわけで、大体の試験は過去問と傾向がほぼ変わりません。なんなら、過去問とほぼほぼ同じだった、何てこともザラなわけです。

 

でも、過去問って基本的に講義で配られるものでもないんですよね。じゃあみんなどうやって調達してるのか。もうおわかりですね。先輩からもらうのが基本ルートです。そこから同学科の友達に流れ出す…というのが一般的な流れなんですね。でも過去問の入手・使用は基本的に自己責任です。過去問が古かったり、担当教授が替われば必然的に役に立たなくなります。講義に参加して、講義資料を使って内容を理解し、過去問を使って演習を行う。これが九工大生のスタンダードです。

 

大学ぼっちの悲劇の一つです。単純に過去問が入手できないので、留年の確率が大幅に上がります。なかには一つの講義のせいで3留する人さえいます。

 

ここまで長々と読んでくれた新入生のなかにはまだ完全に理解できない人もいるでしょう。大学での交友関係が、成績へと小さくない影響を与えていることに対して嫌悪感を抱く人もいるかもしれません。しかしそれも無理らしからぬ事だと思います。ですが一つの事実として高校までの勉強と大学までの勉強はあまりにも違うというのは認めなければなりません。

 

(ごく稀に指導に熱心な教授もおり、大体そういった人は講義内で過去問を自主的に配るが、得てしてほかの講義と比べ難しく過去問も役に立たないケースが多い。要は「ハズレ」である。講義の情報を仕入れるのも先輩からなので、ぼっちはあらゆるところで留年の危険にさらされる。一年生は一般教養が中心のため危惧する必要は無いが、二年生からが本番だ。)

 

3.体調不良でない限り、実験は這ってでも出席しよう。レポートを出せ!

見出しの通りです。まず実験について説明しましょう。

九工大では一年生の時から実験の講義を取る必要があります。カリキュラム的に取らないという選択肢がないんですね。というか実験に限らずほとんどの講義は選択の余地がありません。新入生の中には時間割作成の際「この日は全休を作って…この講義は前々から興味があったから勉強してみよう!」なんてキラキラな妄想を働かせる人もいるでしょうが、九工大には全休なんてものはありませんし、なんなら勉強したくなくても時間割がカツカツです。九工大が特別ではなく、どこの工学部もそんな感じです。そういうキャンパスライフを送りたい人は理系なんてこない方がいいでしょう。

 

さて、実験は座学とは随分勝手が違います。まず、欠席=落単=留年です。これを理解してください。一回の欠席も許されません。冗談抜きで問答無用です。体調不良なら必ず教授に連絡してください。

 

実験はたいていの場合週一回行われるわけですが、これがなかなかシンドイです。なにせ実験は時間に限りがあるので予習が欠かせません。事前に何をやるか理解しておかないとしばかれてしまいます。で、実験が終わったら実験レポートの作成。これも結構時間がかかります。しかも一年生は手書き。もはや写生です

しかもレポートはたいていの場合再提出させられます。再々提出が当たり前。でも新しい実験はそんなの関係なく進んでいく。なので真面目に毎週やってても日程が進むごとにレポートが貯まっていくんですね。毎週提出していない人は大抵首が回らなくなります。当然レポートを出さなければ落単し、自動的に留年です。

 

まとめると

①実験の予習

②実験

③レポートの作成・提出

④①に戻る+レポートの返却と再提出の要求

 

といった流れです。これを一週間ずっと繰り返す訳なので、結構苦痛です。しかし実験は出席とレポートの提出さえ行っていれば落とすことは基本的にありません。私の場合は一週間のうち実験に費やす時間はだいたい15時間くらいでした。

 

大学は試験の点数さえ良ければいいという世界ではありません。課題や出席など、高校時代までは軽視しても進級には比較的問題ない場合が多いですが、大学はそうもいきません。今のうちに理解しておいた方がいいでしょう。

 

ちなみに余談ですが、九工大の留年率について。

工学部の電気電子工学科では三年生から電気エネルギー工学コースと電子システム工学コースに別れており、私はそのどちらかに所属していました。それぞれのコースに64人づつ所属していたわけです。

四年生への進級の際、私の学科の知り合いはみんな留年してしまいました。知人の留年は大変ショックだったわけですが、ふと同級生たちの留年率が気になり、名簿を手に入れて同学年の同級生が何人いるか調べました。結果、40人弱。つまり所属する学科の三分の一が留年してしまってたんですね。もちろんここまでひどい年は滅多に無いようで、教授は相当お冠でしたが、結局九工大はそういう大学です。舐めてたら普通に留年します

とはいえ特段難しいことが求められるわけではありません。講義や実験にきちんと出席する。課題を期限までに提出する。サークル活動やバイトに励む。当たり前のことを当たり前に。新入生の皆さんはたいしたことないと考えるかもしれませんが、大学生になると急に疎かにしがちです。きちんと戒めましょう。ストレートでこの大学を卒業できたことは、私の密かな自慢です。

 

4.研究室はよっぽどのこだわりが無い限り研究の内容ではなく楽かどうかで決めよう。

これ言っちゃっていいのかな感はありますが、事実です。新入生には気が早すぎるかな?

皆さんは研究と聞いてどんな印象を持ちますか?なんだかワクワクしますよね、ロマンがあって。

現実は地味な活動の繰り返しです。皆さんが思っている以上にモチベーションが沸きません。

 

これはあくまで一例で、実際の九工大の研究ではありませんが

 

研究室のテーマ:石ころの温度を変えることで流れる電流の量がどのように変化をするか

 

こういった研究室があったとして、もしあなたがこのことに興味を持ったとしましょう。(そんな人は中々いませんが)

さて、研究室に配属されたあなたは卒論題目を教授から与えられます。工学系って自分で卒論のテーマを選べないんですね。

基本的にはこの卒論題目にしたがって卒業まで研究活動を行います

で、実際に行うのは

 

卒論題目:電流を計測するための装置を作るための土台の作製

 

こんな感じです。なんだかおかしいと思いませんか。

そう、全然本題とは遠いところの研究をさせられてます。土台の作成なんて、電気の知識使うんですかね?笑

どこの研究室もこんな感じですとは言いません。ここらへんは結構マチマチではありますが、実際にやりたいことの準備で研究が終わることは学部卒では珍しいことではありません。(なんなら院卒でもそうかも)

 

さて、もし皆さんが石ころに流れる電流について興味を持ったとして、石ころの電流を計測するための装置を作るための土台の作製について一年間全力で活動できますか?ほとんどの人は出来ないでしょう。そもそも研究について興味を持つこと自体が難しい人も多いと思われます。なら、できるだけ楽な研究室に所属したいというのが人情というものです。

 

そもそも大学での研究室とは何でしょうか。大学の「研究室」とは、教員と学生が一体となって研究に取り組む場です。先生が一人で黙々と研究を続けているわけではなく、ゼミの学生が出入りし、議論や実験をしたり、論文作成の指導を受けたりします。大学にもよりますが、学生が研究室に入るのは4年次からが一般的です。

だいたい一つの研究室には学年毎に3~4人ほど学生が所属しています。九工大は大学院まで行く人も多いので、計10人前後となります。

 

で、ここからが本題。テーマ以外にも、研究室毎に実はいろいろと違いがあります。一番はコアタイムの有無でしょう。コアタイムとは、1日のうち“必ず研究室にいなければならない時間”のことを指します。例えばコアタイムが平日の9:00~17:00で設定されている研究室の場合、仮に何もやる事が無くても、その時間は研究室にいなければなりません。コアタイムがなければ、こういった縛りもなくなるわけですね。

あと大事なのは教授がどのような人柄であるかでしょう。例えば学生を放置気味の教授であれば普段怒られることも滅多に無いでしょうし実験もある程度裁量を持って進めることが出来ます。ただし、卒論執筆において泣きを見る可能性もあります。また、逆に進捗に厳しい先生であれば普段のストレスは避けられませんが、少なくとも卒論を提出することは容易であると考えられます。なかには冗談抜きで学生のことを奴隷としか思っていない研究室も存在します。夜中にキャンパスを歩くと、いつまでも電気がついているなんてことも…。

 
さて、楽をしたい人はどのような研究室に行くべきか。結論としては、放置気味の教授とコアタイムなし、ついでにゼミもなし。これにつきます。
とはいえ希望の研究室に行くには、どうすればいいのでしょうか。研究室は定員が存在し、基本的には成績順で配属先が決定されてしまいます。また、研究室選びの際学校から配られる資料では内情を把握することは困難です。どうすれば情報を手に入れることが出来るのでしょう。
 
はい、もうみなさんおわかりですね。そういった情報は先輩から入手します。要はぼっちになるな。これにつきます。
成績も情報もぼっちには基本的に手に入りません。大学ではぼっちというだけであらゆる面で不利になってしまいます。人は一人では生きてはいけない。社会に認められなければまともな進路を取ることが出来ない。大学は自己責任の世界です。そこは勘違いしないようにしましょう。
 
それから、大学院に進学される方はぜひGEコースの取得をおすすめしたいです。細かい説明は省きますが、GEコースを取得することによって3年の後期から研究室に配属することが出来ます。また、大学院進学に向けて推薦を取得することが出来ます。もし配属先が気に入らなければ4年から変更することも出来ます。是非活用しましょう。
 

おわりに

いままで長々と書いてきましたがいいたいことはひとつだけ。
ぼっちになるな。
これだけです。ほんとにこれだけで大学生活が180°変わります。
なんで私がここまでこだわるのか。それは一歩間違えれば私もぼっちになっていたからです。サークルに入って、学科の人とそれなりに面識を持って…。当初はそういったキャンパスライフでなく、変わった生き方をしたいななんて思ってました。はっきり言って馬鹿野郎だと思います。現実では運に恵まれて1回生の時から先輩や同級生たちに支えられてここまで来ましたが、そうでなければ今頃退学しててもおかしくないと考えています。
新入生の皆さん、最初の立ち振る舞いは肝心です。思いもしないところに落とし穴があります。ですがその分楽しいことも沢山あります。
ぜひ大学生活を楽しんでください。