ブログでの告知が漏れてしまいましたが、先月の15日と16日の2日間にわたって、長野市のエムウェーブで「大人の文化祭」があり、長野県行政書士会も出展させていただきました。SBCさん主催のイベントで、今年もビッグネームの方がゲストで来られて、大変盛り上がりました。
長野県行政書士会では、ご来場された方に「ユキマサ君」のポケットティッシュや資料をお渡ししました。会場では、遺言や相続手続きなどに関する相談も寄せられ、少しでもお役に立てたとしたら私たちも参加してよかったなと思えます。
さて、今月から相続に関する法改正が一部施行されています。
中でも一番影響が大きいと考えられるのが、銀行口座に関する扱いです。
今回は、このことについてざっくりと説明します。
ある人がお亡くなりになられた場合、その人の口座からお金が引き出せなくなります。銀行がその人の口座を凍結してしまうためです。銀行にとっては、「その人」は既に他界されて、「その人」に払い戻すことはできません。代わりに、「その人」に代わる人(=相続人)が請求して来たら安心して払い戻すことができます。
ただし、銀行にとっては、間違いがないように、銀行から払い戻す権利を持っている相続人に払い戻さなくてはいけません。しかし、相続のケースは様々で、遺言書か遺産分割協議書を確認しないと、外部からは相続の内容を確認できません。ところが、遺産分割協議の内容がなかなかまとまらないケースが多く、払い戻されるまでに時間がかかっていました。
そうなると、亡くなられた方の口座から生活費をねん出していた方は生活費に困ってしまいますよね。仮に、一緒に暮らしていなくても、葬儀費用などは不測の支出ですよね。
そこで、相続人の一人が、銀行に自分が相続人であることや相続分の割合などを示せば、一定の金額まで、単独で払い戻しができることになりました*1。
一定の金額とは、一つの銀行当たり150万円を上限に、口座の1/3の金額にその人の法定相続分を掛けた金額です*2。
全部を払い戻したい場合は、これまで通り、遺言書か遺産分割協議書が必要です。
たとえ全部でなくても、一部のまとまった金額が払い戻されるとすれば、大助かりですね。
*1 民法第909条の2
*2 民法代909条の2に規定する法務省令で定める額を定める省令