~出発~

 

午後1時くらいから師崎にむけて出発。フェリーに乗りこみ鳥羽に着いたのは4時か5時む

だったと思う。

師崎に着くまでタカオとヒサシは割と泣き言をずっと車内でつぶやいていた。「えーーちょっと

待てよ、マジでいくのかよお。こいつクレイジーだぞお!」などと私にむかって罵詈雑言を

浴びせていた。しかし、私はそれを聞けば聞くほど逆に燃えてきて、私とアトレーはどんどん

加速していった。しかし、フェリーチケット購入後は2人とも後戻りはできないと悟ったらしく

焼きそばを食べたりして楽しんでいた。

 

ヒサシは当時付き合っていたサチエという彼女に電話し自分の現在地、どこに行くのかなど報告していた。しかし、このサチエはその後、ヒサシに様々なプレイの実験台にされた挙句、捨てられる運命をたどる。

 

フェリーが動き出すと、特にこの先のことなど考えもせずに潮風を受けながら旅を満喫して

いた。まあ、どうにかなるさのノリでカップヌードルを食べだしていた。船酔いなどお構いなしで

そのカップヌードルにみたらし団子をアレンジするやんちゃを見せた。私は完全に酔っていた。

デリケートな私はおかしなものをほおばる2人を見て、また嗚咽がひどくなった。

 

鳥羽に着くと、地図を見ながらどんどん南下して行った。とにかく海沿いに右回りに行けば

三重、和歌山を通過し紀伊半島は一周できるとざっくり進んでいた。しかしながら海沿いは

山間の険しい道が多く、夜間で街灯もない道を進んでいくのは非常に不安でしかたなかった。

また急勾配と急カーブの連続で小柄なアトレーが横転しないかという恐怖もあった。そんな

状態でも腹は減るもので、1件のうどん屋に入り遅い夕食をとった。そこで無責任にも私と

タカオはビールを飲んでしまった。非常にうまかったことは記憶しているが、あとの運転は

ヒサシが消去法で担当した。

 

しばらく進んだ山奥で休憩し、しんと静まり返った夜空を見上げる

と星が驚くほど大きく、煌々と輝いていた。あんなにきれいな星は人生で初めて見たかもしれ

ない。素直に3人とも感動していた。暇で平凡な大学生がそんなロマンチストな気分になれる

ことも、この旅のよさであろう。