ノーベル平和賞受賞団体「市民を守る唯一の方法は軍しかない」

2024年8月21日 7時40分 ウクライナ情勢

 

ロシアによる軍事侵攻からまもなく2年半となるウクライナでは、いまも、連日、激しい戦闘が続いています。ロシア軍の戦争犯罪を記録する活動を行い、ノーベル平和賞を受賞した人権団体の代表は「市民を守る唯一の方法は軍しかない」と話し、平和的な手段で侵攻を止められない現状への苦しい胸の内を明かしました。

 

おととしノーベル平和賞を受賞したウクライナの人権団体「市民自由センター」の代表で、弁護士のオレクサンドラ・マトイチュクさんが、先週、首都キーウでNHKの単独インタビューに応じました。

マトイチュクさんの団体では、ロシア側がウクライナの人たちに行ったとする暴力や性的暴行などの戦争犯罪を聞き取り、記録する活動をしていて、マトイチュクさんは「プーチンと、ロシアの政治や軍事の幹部を侵略の罪で訴追するという歴史の前例を作らなければならない。将来の戦争を防ぐためには、現在の戦争を始めた国家とその指導者を罰する必要があるからだ」と話し、活動の意義を訴えました。

これまでに7万8000件以上の犯罪を記録したということで、こうした記録をもとに、ロシアの戦争犯罪を裁き、責任を追及するとともに、被害を受けたウクライナの人々が賠償を受けられるようにしたい考えです。

その上で、ロシアは意図的に住宅や学校、病院などへの攻撃を続けていると指摘し「国際社会の仕組みが権威主義や戦争から人々を守れないことに問題がある。残念なことに、いまウクライナの市民を守る唯一の方法はウクライナ軍しかない」と話し、平和的な手段でいまも続くロシアによる侵攻を止められないことへの苦しい胸の内を明かしました。

一方、最近のウクライナ国内の世論調査で領土を諦めて即時停戦を目指す「妥協案」を支持する人が増えていることについては「自分たちの権利や自由を守るすべを持たず、ロシアの暴力に常におびえながら生きるようなグレーゾーンに、ウクライナの人々を置き去りにしてしまう」と話し、ロシアが占領した領土に暮らす人たちのためにも領土を奪還すべきだという考えを示しました。

 

 

 

 このお方は引用記事にある苦言の他に「ロシアに占領されたらすべてを奪われ祖国が消滅する」というようなことも仰っていた。ロシアという国の本性をよく理解している。

 

 帝政ロシアの初代皇帝イヴァン雷帝は下着でいた息子に激怒して殺してしまう程の暴君だ。イヴァン雷帝帝政ロシアはモンゴル帝国の血を引く。その証拠に戴冠(即位)の装束を見るとモンゴル帝国とそっくり。(筑波大学名誉教授中川八洋先生談)

 

チンギスハンの即位式

 

ニコライ二世の戴冠式

 

 モンゴル帝国といえば侵略して従わない者はその国の支配者一族郎党、国民根こそぎ皆殺しだ。帝政ロシアも革命後のソビエトもベルリンの壁崩壊後のロシアも国内外問わず残虐性は一貫している。ノーベル平和賞を受賞した人権団体代表の言うことは正しい。ロシアに「妥協」してはならない。

 

 ウクライナ情勢を目の当たりにしても「他国が侵略などするはずはない」、「戦争反対」と唱えていれば平和でいられると思って「自国防衛」すら否定する日本の方々は、ノーベル平和賞を受賞したこのウクライナ女性の現実の声はどのように聞こえているのか?

 

 

【追記】

 上記「イヴァン雷帝はモンゴル帝国の血を引く」の「イヴァン雷帝」を「帝政ロシア」に訂正します。またロシアとモンゴル帝国について、筑波大学名誉教授中川八洋先生の論考を引用します。是非一読ください。