『メアリーの総て』(アイルランド、ルクセンブルク、アメリカ、2017年) 原題:Mary Shelley

 

を観た。

『フランケンシュタイン』の生みの親である著者メアリー・シェリーの半生を描く作品。

 

 

原題がメアリー・シェリーなので、

彼女がどんな人生を送るか知らずとも、詩人シェリーに出会った段階で誰と結婚するかはネタバレ。

 

 

映像の美しさと19世紀イギリスのドレスやヘアメイクが素敵

 

主演のエル・ファニングの少女のように繊細で可憐な美貌と

ドレスやヘアメイクが似合っていて素敵。

童顔なのに長身だし、細く長い首がとくに綺麗だ。

 

 

破滅的なようで悲惨にはならないラブストーリー

 

ストーリーは実在の人物メアリー・シェリーを題材にしているので、

実話ベースなんだろうけど、なかなか波乱に満ちている。

まず、母親がある夫婦と3人婚をしていてできた子がメアリーであるという先進的な環境も目を見張るし、

駆け落ちに義妹を連れていき、一時的なものではなく3人で安定的に暮らしていくという展開にびっくり。

 

不埒な詩人のシェリーは義妹とも深い仲になっているような描写はあるけど、真相は分からないから

姉妹でシェリーを巡って争わず、カップルとその義妹というあやうい均衡状態が続いていくんだよね。

はからずも、親の3人婚と近しい構図になっている。

義妹はどの段階かでカップルと離れるのかと思いきや、物語のラストまでずっと同居している。

この展開が一番予想外だった。

 

16歳の時に出会った21歳のシェリーが結婚しており5歳の子がいるなんて、

出会い頭には想像できないよね。

初デートで墓地に連れていくメアリーに惹かれるのは

エキセントリックだろうがなんだろうがとにかく女好きなシェリーだからいいとして

すぐに破綻するだろうと思ったメアリーとシェリーの関係が続くのは

メアリーの小説家としての感性に惹かれていたからなのかな。

バイロン男爵にも臆さず、冷静に切り返すような知性にも、シェリーはああ見えてリスペクトしていたのかな。

だからこそ、著者の名前を明かしたのかな。

 

十分に波乱のラブストーリーだけど、もっと悲劇的になるかと思ったけど良い塩梅。

 

劇中で、小説家で故人の母を語る台詞

「 母は強い女性だった。でも、愛には脆かった。 」

は美しい表現。