『教室の片隅で青春がはじまる』
谷口菜津子先生は本当にすごい・・・。
今夜すきやきシリーズのようなストーリーものよりも、
短編集や連作短編集が好み。秀逸すぎる。
スクールカーストものでも、宇宙人の留学生がクラスメイトに存在する世界観はエッジが効いてるなぁ。
宇宙人留学生は目立つ存在ではあるものの、
混血や外国人留学生と同じくらいのレアさという設定が現実と地続きだなぁ。
連作で、クラスのそれぞれにスポットが当たっていく構成。
まりもちゃんは風変わりで孤立してるけど、
情緒は極めて安定していて人の悪口を言いふらさない、というタイプなのはけっこう珍しくないか?
だいたい精神的に不安定だったり、反応に困る嘘をついたり、ネガティブすぎたり、
人の悪口や文句を言いすぎて嫌われていく・・・というのが
現実には多い気がする。
我が道を行くタイプのまりもちゃんは、変わり者なだけなので
この行動力あいまって大物になるタイプだよなぁ。
『言い寄る』2巻
設定やストーリーは現代の感覚でいうと違和感がないんだけど、
田辺聖子さんの原作が発表されたのは1973年・・・実に50年前の作品・・・。
この時代に31歳のフリーデザイナーの女性が色々な男性と恋愛をする物語は、かなり革新的だったと思う。
31歳独身女性という設定も、2024年現在とはまるで違う。
恋愛模様が華やかで良いよね。
剛は愛いやつ。殴っちゃいかんが、可愛いげがあるなぁ。
美々に対してイラつきつつも、乃里子が殴られて家が荒れたときに美々が片付けにきてくれるわけだし、お互い様。
乃里子も美々も奔放なのが、ストーリーとして斬新。
乃里子はキャリアウーマン風ではあるけど、恋愛には奔放すぎるのが人間味あっていいよ。
原作のほうも読みたくなった。