『四十九日のお終いに 田沼朝作品集』
友情を描いた短編集。
表題作が一番好みかなぁ。
漫画に登場する関西弁はときたまネイティブ以外だと言葉も行動も不自然すぎて気になることがあるけど、
作者は関西弁ネイティブなのか、この作品は読んでいてまったく違和感がない。
収録されている短編のすべてが絶妙な距離感で、じわじわ良い。
『私たちが恋する理由』4巻
3カップルは着実に関係を深め、
夫婦は刺激ある状況でも仲の良さは相変わらずだし、友情譚はそれとして仲睦まじい。
読み切りじゃなく連作でオムニバスがそれぞれ進展していく構成が面白い。
大人の恋が茶化されずにまっすぐ深まっていくのが良いなぁ。
『みちかとまり』1巻
田島列島先生の最新作。
かなり変わった読み味の作品。
イマジナリーフレンドならぬ、竹藪から生えた神の子との友情譚。
と言い切ってしまっていいものか。
あっちの世界に二人でおもむいて奮闘する様子は、今まで見たことがない感じで大好物。
強いて言うなら鈴木清順?
レトロ自販機にグロイ体の持ち物入れて行燈がでてくる、ってすごいな、田島列島先生は本当にすごい。
イマジネーション大爆発でグロテスクだけど、
陰惨な雰囲気はまったくなくて、大人がぼんやり豪胆なのが良いな~。
1巻は序章。
ふと思ったんだけど、田島列島先生の作品は映画のような省略が効いた構成だから、
ふんわりした画風でありながら、他の漫画と比較しても1巻でストーリーの進みが早い。
そのあたりが魅力だよなぁ。
これからどうなるかとっても気になる。