『うちらきっとズッ友』
 
唸るような素晴らしい短編集。
一見すると短絡的で恥ずかしいタイトルこそ、
掛け値なしで偽りなしの人間同士の関係の神髄を表している。
どの物語も全然違うシチュエーションと関係性なのに、どれも良いなぁ。
対人関係を築いていくのは難しいけど、ズッ友は人生の果実だ。

「砂糖と塩」が特に好き。

 
 
真造圭伍短編集 『センチメンタル無反応』
 
色んな論争あるけど、やっぱり学校生活って必要だ。
この作品で描かれてる感覚は、学校経験者しか捉えられない。
家の外から一歩出ると、すぐ近くに誰かの理解不能な当たり前の日常が存在してる。
他人って奥深いし、人生は楽しい。
清水家がすき。
 
『あなたはブンちゃんの恋』5巻
 
完結巻。
狂って狂って全力に壊れ続ける恋慕のストーリーがハッピーエンドで綺麗に終わるカタルシス。
たまらない。
末廣さんとの会話シーンから目が覚めるまでの描写、唐突なアクロバット。
いや~、どこまでも転がり落ちそうな前後不覚の展開で、
まさかまさかの現実の愛に目覚めるのは、嘘みたいなI love you だよ。
「大好き」という聞きなじみのある言葉が、こんなにも響く。
渾身の、素晴らしい作品。
 
『推しの子』1巻
アニメ化もあって盛り上がりの最中に読了。
奇想天外でこうくるか・・・!という作品の方向性が画期的。
どんなストーリーなのか第一話では想像もできない話の運びが見事。
良い意味で分かりやすく漫画的にキャラクターそれぞれが構築されていて、
少年漫画として良いなぁ。
アクアマリン、という名前のインパクトがつよつよである。

『推しの子』2巻

すぐに大きくなって高校生の美形ツインズ。
ルビーとアクアがそれぞれ全然違う目的で芸能界に入っていくストーリーが良い。
美形で冷静で目的にひたむきなアクアを、
高校生の女の子が好きにならないのは無理があるんだって。
別に因縁の子役じゃなくてもね。
 

『推しの子』3巻

アクアのパートと、ルビーのパートがそれぞれ別ストーリーの軸を引っ張っているのが良いなぁ。

 

谷口菜津子『今夜すきやきじゃないけど』
 
沁みる。
特に、今の自分には特に沁みる。
『自分サイズの「幸せ」ってなんだろう?』という帯が秀逸。
部屋が散らかり放題のヒロインがこうなってしまった理由を、
弟だけが見抜いて暴いて、ちゃんと引導を渡すシーンは鳥肌が立つ。
決して、好きなことをして楽しく働く、というのがゴールでない描き方が最高。
意識は高かろうが低かろうがそれは問題じゃなくて、苦しくなく自分らしく生きていくことが大事。
無理せず生きていこう。
わたしも、部屋の片付けから始めないとなぁ。