『あのこは貴族』(日本、2021年)
を観た。
東京生まれで何不自由ない暮らしをしてきた家事手伝いの華子。
30歳を目前に結婚に焦る華子は婚活を行うも上手くいかず、
義理の兄の紹介でハンサムな弁護士を紹介され婚約されるが、彼には美紀という愛人がいることが分かり・・・。
本来であれば階層の違いで交わらない二人が出会う。
山内マリコさんの原作は未読。
新しいタイプのシスターフッド作品。
主演の門脇さんや希子ちゃん並びに、石橋静河さんと山下リオちゃんという
キャストが最高。
嫌な役回りのはずの高良くんも良いし。
東京出身のお嬢様の華子と
地方出身で慶応に通ったものの水商売をしている美紀は
同じ男性と寝てるけど、全くいがみ合うこともなく、
女性が生きていくことの難しさをそれぞれの立場で実感していて、
友情ともいえない妙な関係性を築いていくのが胸がすく。
個人的に、恋人の浮気や他に好きな人ができることに対する忌避感情がまったくないので、
このあたりは何の違和感もなかったりする。
華子の視点で物語が展開するから良い作品だけど、美紀は辛いなぁ。
美紀の器は大きいなぁって思う。
高良くんとはどうにもならないにしても、
腐れ縁みたいに10年付き合ってる最大の友だちを
たかだか何回かデートしただけで本音も話せない女の人と結婚するだけで、
関係をふさがれちゃう。
でも、それを恨まない。
そんでその奥さんにも本心をちゃんと伝えたりする。
高良くんも別に悪い男ってわけじゃない。
けど、もっと踏み込んで付き合えたら華子と別の関係になれたかも?って感じがするよね。
最後の10分の怒涛の展開にはびっくり。
高橋ひとみさんも激怒するよね。
同じ男の人のそばにいるからって、女の人はいがみ合わなくて良い。
新しいタイプの作品。