森鴎外 「高瀬舟」
を読んだ。
京都の罪人を大阪まで護送する高瀬舟。ここでは、罪人が身の上を語りだす。
同心・羽田庄兵衛はある日、まったく悲しそうに見せない罪人・喜助を護送することになり・・・。
ほんの短い短編なのに、非常に有名な作品よねえ。
わたしは何年か京都に住んでいたものだから、作中の地名もぴんとくるのよ。
高瀬川沿いに、毎晩木屋町を練り歩い・・・と、そんなことは如何だっていいわ。
喜助は、いわゆる自殺ほう助の罪なのよねえ。
病で苦しんでおり、自死しそこねた弟を見兼ねて、手にかけるわけよ。
ここで、安楽死(ユウタナジイ)の問題を、医者という見地から森鴎外は持ち出すのだけれど、
自殺ほう助と、安楽死はまた別の問題よねえ。
法で規定された医学の適用と、個人の裁量では、まったく違うわよ。
それにしても、文豪と云われるだけあって、なんと読みやすい!
説教臭くもなく、暗すぎない。
そう、内省的すぎない、というところが万人受けするポイントねえ。
森鴎外 「大発見」
を読んだ。
欧羅巴人の、ある習慣を、発見!
些事にかまける、執拗さよ。
だから何、と云っちゃあおしまいよ。
簡潔に云いましょうか。 要するに、あなただけが世界なんです。