- ひざまずいて足をお舐め (新潮文庫)/山田 詠美
山田詠美 『ひざまずいて足をお舐め』
を読んだ。
SMクラブの女王様が、新人賞受賞の注目作家に!
主人公ちかと、その親友・忍お姉さんが紡ぎだす、夜の世界。著者の虚構的半自伝小説。
とても扇情的なタイトルよねえ。
これはわたしが産まれた年(1988年)に上梓された作品なのよね。
時代性感じるわ。
山田詠美の作品に出てくる登場人物たちは、遊び人タイプなのがいいよねえ。
派手好きで、男(女)好きで、基本的に明るい。
文学のメインストリームの女性像は、知的で上品な大人しい女性だと思うんだけれど、
山田詠美作品の女性たちは、夜遊びはするし、つねに男にちやほやされたりするのがいいよね。
今風の言葉で言うと肉食系?って云うのかしらん。
でも別に、何も考えていないわけではないし、
繊細でちゃんと人や物を見ているんだよね。だから、人を惹きつけて、魅力的な人物として扱われる。
文章も軽やかだけれど、
語彙も豊富だし、本好きっていうベースがあって、小説を書く人なんだわ、という印象。
『ひざまずいて足をお舐め』は、
主人公ちかと忍お姉さんの会話というか、語り?がほとんどで、
二人の華々しいこれまでを述懐したり、感傷的な出来事について意見交換したりしているのよ。
だから、物語としての面白さは乏しいのよね。
まあでも、文章が巧み。ちゃんと読ませる文章になってるから、しんどくない。
『蛇にピアス』 (日本、2008年)
を観た。
この映画で吉高由里子は、人気女優としての地位を築いたわけだけれど、ミスキャストよねえ。
化粧も控え目で、髪色が明るくても、いわゆるギャルには全然見えないわよ。
吉高由里子は、肌もつやっとしていて、清潔感もあるからねえ。
ルイ役には、顔は可愛いんだけれど、肌がくすんでて、なんとなく貧相な印象の女の子が良かったんじゃあないかしらん。
ARATAがいいわよねえ。
ARATAの声の暗さが佳い。
いろいろ思うところはあるけれど、残念ながら、あなたが好きです。