アガサ・クリスティー、加島祥造訳 『愛国殺人』 One, Two, Buckle My Shoe
を読んだ。
歯医者の治療を終えたポアロのもとに、当の歯医者が自殺したという電話が入った。
自殺の予兆などまるでなかった彼がいったいなぜ?
マザー・グースの調べになぞらえて起こる殺人。
邦題がミスリード。
人の命が、怨恨とはまったく関係のないところで奪われるのは、ほんとうに胸がいたい。
いや、人の命を奪うことは絶対にあってはならないのだけれど、
ほとんど無差別に、コードとして人の命を扱うのは、同じ人間として絶対にあってはならないこと。
支配者である、ってこわいことだわ。
誰を狙った犯行であるのか、がポイントよね。
ああ、ひとつのジュネスが終わったわ。 どのみち、手に入るはずなど、なかった。