宇宙人と呼ばれる話


小学生時代唯一あったあだ名

宇宙人。




私は、小学生時代

「学校」では話す事が出来なかった。


学校の門をくぐった途端 声が出ず 表情が消えた。


話しかけられても頷く事、横に首を振る事しか出来なかった。


家では騒がしい子


家に帰ると人が変わる。

私はかなりうるさい子供だった。


母の横で寝るまで喋っている。

布団に入っても喋っていて何度も叱られた。


母からみたら うるさく明るい子供だったと思う

子どもらしい子どもだった。


笑うのが怖い


教室で 私が笑うとクラスメイトの視線が集まる。

「笑ってる〜」

「○○って笑うんだ〜」


怖かった。おばけでも見たかのようなみんなの反応。

表情を出すことをやめた。


声がつまる


私の声は低く 声が通らない。

1回では聞き取ることが出来ない。

私は 諦めてしまった。


ひとりで発表する授業。

私はみんなの視線が怖くて、声が出なくて 

数分棒立ちしてたこともあった。

先生が呆れて、席に帰すのがいつものパターンだった。


真っ白。


頭の中はいつも真っ白だった。

手はカタカタ震えてた。


でも表情は無かった。




宇宙人みたい



○○は宇宙人


表情がなく、ただ一点を見つめ 喋らず 動かない

気づけばそう呼ばれた。


私は休み時間もただ机を見つめていた。

「やる事」が無かった。

休み時間はこうしなさい。が無かったから

どうしたらいいのかわからなかった。



きっかけ


そんな毎日を過ごし、1人発表の時

私の前の番の人が 内容をど忘れし、話せなくなった。

泣いていた。

それを見た時 私の中に電流が流れた。


私の番が来た。

クラスメイトは、またこいつか…どうせ何も言わずに棒立ちに決まってる。 そんな顔をしていた。


私は、声をワントーン上げ 表情も晴れやかに教室をゆっくり見渡しながら 発表した。


私は他人の失敗で 自分を動かした。

性格が曲がっていた。


発表が終わり礼をすると クラスメイトが大きな拍手をしてくれた。

「はなせるじゃん!!」

「聞きやすかったよ!!」


私は人間になれた。



それから



私は大人になった 。

おしゃべりの明るい人 になれていた。


話す事が好きになり 話題を生み出すために沢山の事に挑戦した。

今では話しやすい人と言われるようになった。




だけれど、私は他人の失敗からでしか動けない醜い人間には変わりは無い。




性格の悪い人間。










読んでくれてありがとうございました。

いいねありがとうございます。

また何か思い出したら記録します。